集英社新書ヴィジュアル版
直筆で読む「人間失格」

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  • サイズ 新書判/ページ数 461p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087204681
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

原稿用紙で知る、名作の舞台裏。
作家の「直筆シリーズ」、待望の第2弾!
代表作の生原稿全412枚を、オールカラー写真で完全掲載。作家の書き込み部分も全面初公開!

内容説明

本書は、太宰治の代表作「人間失格」の直筆原稿を、写真版で完全収録したものである。この「人間失格」の直筆原稿は、太宰の死後、遺された家族の手で、太宰本人が愛用した着物の生地を使い表装された和綴じ本四冊から直接撮影したものである。今回その原稿が寄贈されている日本近代文学館(東京都目黒区)の協力により、従来綴じ込まれていて見ることのできなかった部分の撮影にも成功。本書をひもとけば、誰もが原稿用紙の全体を閲覧でき、太宰本人の訂正、書き込みのすべてが見られるようになった。「人間失格」はもう活字では何度も読んだ、初めてだがこの機会に読んでみたい、久しぶりに読んでみようか、本書はあらゆる読者のニーズに「直筆」で応える一冊である。

目次

直筆原稿の魅力
直筆「人間失格」

著者等紹介

太宰治[ダザイオサム]
1909(明治42)年生まれ。昭和期の小説家。東京帝国大学仏文科中退。戦前から「走れメロス」など多くの短編を発表。戦後は「斜陽」(昭和22年)で流行作家に。昭和23年「人間失格」を完成させるがその後入水自殺。享年三九(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばりぼー

44
漱石「坊っちゃん」に続く直読シリーズの第2弾。生原稿を見ることで、例えば、巻末の有名な「ただ、一さいは過ぎて行きます」という決め言葉も、「過ぎて行きます」を「過ぎて行くのです」に書き換え、もう一度「過ぎて行きます」に戻すという創作のプロセスが伺えます。一字一句もおろそかにせず、書き足しては削り、推敲を重ねていく作業の抹消跡は、まるで血みどろになって格闘する太宰自身の傷口のよう。作者が隠そうとして丹念に網掛けをした箇所を暴き出すのは、ある意味犯罪的で、「悪魔の所業」に違いないという解説も言い得て妙です。2016/10/10

冬見

13
所謂「悪魔の所業」というやつ。徐々に歪んでゆく文字や神経質なほど丁寧に消された言葉の下に目を凝らし、創作の過程を覗き見る背徳感と歓び。直筆の力に圧倒される。あまりにも生々しい。ふだんの活字版を読むときよりも数段丁寧に読み進めた。2016/07/26

紫苑@低浮上

13
図書館。ちょっとした作品の製作に使うために借りた。じっくりと本文を読めたわけではないけど、終盤になるにつれて乱れる筆跡や、一言一句に難渋した推敲の跡、本人の写真なども見られたのが嬉しかった。いつか買って手元に置いてきちんと読みたい。2015/11/24

あなた

10
じつは「人間失格」は「私」の物語ではなく、「自分」に「書きなおさ」れた物語なのである。一人称はかたくなに「自分」に統一されている。「自分」とは再帰代名詞であり、対象化されつづける「私」をさすことばだ。「私」にひきこもることなく、「公」の領域において対象化されつづけるそういった「ワタシ」のありかたを、大庭葉蔵は、いきようとしている。いや、手記を書いている「わたし」が「自分」として語り直しているのだから、「自分」として、いきなおそうとしているのだ。大庭葉蔵は、少なくとも、「私」に隠滅することを願ってはいない。2009/08/16

くまこ

6
今日、太宰のお墓参りに行こう。小説残してくれて、ありがとう。2013/04/09

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