ざ・ちぇんじ!〈前編〉

ざ・ちぇんじ!〈前編〉

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784086090377
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

時は平安、所は京、世は泰平の極み。家柄の良さを誇る権大納言も、深刻な悩みを抱いている。権さんには二人の妻がいて…ま、それはいいとして、悩みとは二人の子どものことなのだ。女の子は頭脳明晰、明朗活発で男の子として育ち、綺羅君と呼ばれて都中の評判。一方男の子は、これはもうすぐ失神してしまうほど繊細な神経の持ち主。今日も「大変どすえ…」と、待女の声が屋敷中にひびき渡る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

assam2005

19
古典「とりかへばや物語」を氷室冴子さんがコバルトに置き換えてみたらこんなふうになるのか。平安時代に書かれた原作。この時代からジェンダーの考えがあり、現代との共通点を感じる。あらすじは知っているのだけど、ワクワクしながらページを捲ってしまうのは氷室さんの手腕。面白いんだなぁ、このテンポ。前編は、弟姫が尚侍として宮中に上がる事が決まるまで。この時点で姉中将・弟姫共に自分の性と生き方のズレに齟齬を感じていて、今までの自分に後悔がチラチラ見える。当てこすりこそが処世術という図式が、既にこの時代からあったのね。2021/07/04

すみの

19
漫画山内作品の原作。兵部卿宮のような人達をすみれ族と言うのはなんとも雅ですね(笑)。全てを知った女東宮と綺羅姉弟の3人チームプレーが終わり良ければ全て良しに繋がったと思う。誰か協力者がいてこそ。2016/11/14

こっぺ

15
あぁ懐かしい。小学生ぶりの「ざ・ちぇんじ!」である。約20年ぶりだ。ひさしぶりっ姉綺羅に弟綺羅!北嵯峨での姉綺羅と帝の出会いには爆笑。あぁ素敵。しかし、この平安舞台の物語を子どもの頃のあたしは何を思っていたんだろう。漢字、ちゃんと読めてたのかな。あやしいものだ。【図】2010/09/07

しゅわ

7
【図書館】勝手に氷室さん再読祭り!の番外編。あとがき目当てに愛蔵版を手にとった…のですが、こっちにはあとがきがありませんでした(涙) 先日の「月の輝く夜に」と旧版再読…この半年で2度も読んでいたので、ざっとチェックするだけにしようかな?と思いつつ、読み始めたらページを繰る手が止まりませんでした。やはりいつ読んでも面白いですね。古典を意識しているせいか?とてもリズムの良い文章でサラッと読めます。女の身で元服・出仕をした快活な姉と十二単に身をつつんだ内気な弟のコメディ。周囲の勘違いが楽しい前半戦です2013/02/27

林檎依存症

6
平安時代。権大納言には勝ち気な妻と内気な妻がいた。性格が正反対の二人はやがて子を産むが、片や元気な女の子、片や病弱な男の子だったため、姉は若君、弟は姫として育ててしまった。綺羅君と呼ばれて育った若君(姉)だったが、年頃なのに元服させないことを不思議がられ、ついに帝が出仕を命じ――。『とりかへばや物語』の現代語訳(というか新釈)。好んで性別を偽ってるのかと思っていたけど、弟の方は嫌がっていたので意外だった。しかも弟、すぐに失神しすぎ(笑)綺羅君(姉)の日常はおもしろかった。帝と彼女のすれ違いがもどかしい…!2012/07/21

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