内容説明
運命の激浪に翻弄され続けた三人の船乗りたち。彼らが見た異国とは?そして故国日本の現実とは?三浦文学の一つの頂点をなす巨編「海嶺」。一挙収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
48
<海嶺>長い長い物語だった。物語が進むまでの時間がなんとも漬物石を持たされるようにジワーッと長くて。でも、動いだすとどんどん引き込まれていく。信仰と言う目には見えずとも心の中をどんどん変化させていくもの。信じると言うことの難しさ。生まれてからずっと当たり前のように神仏を信仰している中で別の神の存在を知る。物ではないから、それを信じることがどんな影響をもたらすのか。考え方暮らし方まで変化する。その時代には多くの人がそんな思いに至って信じながら苦しんだのかもしれない。それにしても・・・長かった・・・。2012/08/25