三浦綾子全集〈第6巻〉

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三浦綾子全集〈第6巻〉

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  • サイズ A5判/ページ数 585p/高さ 23X17cm
  • 商品コード 9784079379885
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0393

内容説明

著者初の歴史小説「細川ガラシャ夫人」、青春の孤独を描いた傑作「石の森」そして「毒麦の季」他、短編の名手としての力量を存分に発揮した6編を収める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

43
<尾燈>この6巻に収められた短編の中で一番心に残ったのがこの作品だ。人の心と言葉の裏腹なこと。世の中には溢れるように同様なことがたくさんある。それでも人は、気に留めないふりをしながら生きている。傷つきながら・・・。もしかしたら自分も知らず知らずに人を傷つけていることもあるかしら?とわが身を振り返ってしまったり。生きている時には、人に持ち上げられる時もあれば人を支える時期もある。そうして時代は流れていくのかもしれないけど、人にはどんな時も真心で接したい。それにしても・・・これもまたラストがジ~~ンとする。2012/03/13

あつひめ

42
<細川ガラシャ夫人>三浦さんが初めて手掛けた歴史小説だそうだ。三浦さんの「初」を飾るにふさわしい人選でもあったかもしれない。私も一応はガラシャ夫人の存在も家系図も知ってはいたけれど、教科書では知ることができない人間模様がこんなにあったとは。ガラシャ夫人が洗礼を受けこの世を去るまで、夫人自身が見聞きし、心揺れたり、また満面の笑みをこぼすほどの幸せを感じたりする人間らしさを三浦さん特有の目線で表現している。戦国時代人の心の裏表の中にまた嘘と真があることを今まで読んできた読み物よりも実感することができた。2012/03/13

あつひめ

37
<壁の声>三浦さんが刑務所に慰問に行って話を聞いた死刑囚がモデルだそうだ。そして、舞台化もされたらしい。人は死を間近にすると何を思うのか・・・そんな姿をあらわにしているような気がする。夢や希望・・・文字で書くと何の変哲もないものだけど、この夢や希望が持てるかどうかで自分が生きているのか、これからも生き続ける価値があるのかと生きる意欲につながるのかもしれない。人の言葉や視線がどれだけ人に鋭い牙を向けるのか・・・心にとめながら生活しなければと感じた。2012/03/13

あつひめ

37
<片隅の命>その人=その人の命として大事に扱わないといけない。でも、人は往々にして自分の好意を寄せる人とそうでない人の扱いは天と地の差になる時がある。主人公、波夫は心が子供のまま成長しない。だからこそ、こずるい族よりも心が澄んでいる。そんな心と命を大切にすることを文学を通して描いたような作品。切ないラストだった。2012/03/13

あつひめ

35
<逃亡>再読。人間の世界は、富や権力を持つと心がさび付いてしまうのかもしれない。人を人とも思わない、貧しいものは心もなく血も通っていない石ころのように粗末に扱う。人の命の大きさはお金持ちも貧しい人も同じだと言うことに気付けない人への三浦さんからのメッセージのような気がする。今の時代、わが子の命さえ粗末に扱う親がいる。子の命は親のものではないことに気付いてくれたら、そんな悲しい事件も減ると思うんだけどな。2012/03/13

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