三浦綾子全集〈第4巻〉

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三浦綾子全集〈第4巻〉

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  • サイズ A5判/ページ数 535p/高さ 23X17cm
  • 商品コード 9784079379656
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0393

内容説明

人間の原罪を描く代表作「続氷点」、青春文学の傑作「帰りこぬ風」の二長編の他、珠玉の短編二作を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

37
<続氷点>前作では、すべての裏切りを表に返して真っ新な気持ちを求めるところで幕を閉じた。心に抱えるものはいくら真実が明るみに出ても軽くなることはない。真実の中の罪。自分の出生が原点ともなると何を信じ何に対して怒り、何を求め何に許しを請うか。三浦さんは次から次へとカードをきってくる感じ。飽きさせるどころかどんどん読者を巻き込んでいく。人は人を裁けない。頭では分かっていてもそれを実行できる人は数少ない。この作品に登場する人物はみな鏡のような心を持ち合わせている。それが人間らしさを表現している気がする。2012/02/05

あつひめ

36
<帰りこぬ風>日記仕立ての物語。日記って人の心の本音を書き綴っているので相手の思いは想像になる。書いている本人のみの思いが強烈。だから、何が本当なのだろうと一歩通行の思いにやきもきするのは主人公も読者も同じ。主人公の思い悩む姿に心を打たれると言うよりは、いい加減にした方がいいよ・・・なんて老婆心で言葉をかけたくなるのは私が恋をするドキドキ感を忘れたからなのだろうか?恋は盲目・・・よいところしか見えなくなってしまう。ラストはお約束通りの〆だけど、そこに至るまでの人々の心の機微は小説以上に小説っぽい気がした。2012/02/05

あつひめ

32
<奈落の声>人が求めるものそれはいつの時代も自分への優しさであり、暖かな愛情。温もり・・・と言った方がいいのかも。現代でもその温もりはどんどん薄れている時代かもしれない。家族の中ではあったとしても社会の中で人を育てる、温かく見守る・・・そういうのが希薄になっている。年若い教師と1年中各地を回る旅役者の子供。お互い凸凹過不足を補うような心のふれあいがほんのわずかな時間に生まれる。心の隙間で生まれる優しさの大きさや深さを三浦さん風に表現していて何とも切なくでも、心に灯がともる気がした。2012/02/05

あつひめ

31
<死の彼方までも>人は死を目前にすると今までの罪を償いたくなるのだろうか?そんな一般的な視線で読み進めると何とも三浦さんの罠に落ちるようなラストを迎える。三浦さんの中にはどれだけの種類の女が蠢いているのだろう。清い心、我儘な心、神をも恐れないような薄汚れた心・・・。自分の死後、自分以外の人が幸せになられるのはたまらないとわなを仕掛けてから死んでいく・・・でも、その心もやはりさびしさが溢れているのかもしれない。いついつまでも人は心の中で生き続けたいさびしがり屋なのかもしれない。 2012/02/05

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0
帰りこぬ風、ほしいものは手に入らないし、手に入れるためにあがけばあがくほどよからぬ方向に向かうし、因果だなぁと。2013/12/02

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