内容説明
生きることの根源的なテーマを追究し、さまざまな人生の愛と死のドラマを描き続ける作家三浦綾子の文学のすべて。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
50
全集1巻目<氷点>ずっと気になっていた物語を新年最初の1冊に選んだ。三浦さんの男性のような物語の引っ張り方。女性の細やかな気配りと心の浮き沈み。人の心を信じるとはどういうことなのか。お互い腹の探り合い。殺人犯の娘と思いながら育てるのは心の裏と表を返しながら暮らすことのようだ。登場人物皆が誰かに裏切られながら裏切られていることに気付かないような気付いているような…確かめることが怖くて口をつぐんでいる。陽子の行動によって明るみに出たすべての裏切り。やっと初めて真っ新な気持ちで愛しあえるのかもしれない。2012/01/04
あつひめ
31
全集1巻目<ひつじが丘>人を恋焦がれる思いは誰にも押さえつけることができない。足元の石ころを転がすように自分の気持ちを転がす。人を愛すことは許すこと…その簡単そうなことができないのが人間なのかもしれない。2012/01/05
ななっち
1
「氷点」「つつじが丘」など。時代の雰囲気なのか、直截的な表現に感じますし、また三浦綾子の葛藤の投影なのかも?と感じたりもしますね。北海道の雰囲気も十二分に感じられる作品です。2013/01/06
優しい月
0
とても昔に読んだ2作品が、新しく感じた。こんなふうにサクサクとした文体だったとは意外。20年も経つと、感じ方捉え方、ホント変わる。三浦さんの作品がずっと後世にも読み継がれますように。2016/01/05
a
0
氷点もひつじが丘もすごくすきな作品。「ゆるす」って難しいなあ、ほんとに。わたしならゆるせない。2013/08/22