出版社内容情報
三津田 信三[ミツダ シンゾウ]
著・文・その他
内容説明
所有する者に福と禍を齎すという“魔偶”。その奇妙な文様が刻まれた土偶を確かめに、刀城言耶は旧家・宝亀家を訪れる。すでに集まっていた客たちは話し込む当主と言耶をよそに次々魔偶を収めた“卍堂”へ向かうが…。表題作他、文庫初収録「椅人の如き座るもの」を含む全五編を収録したシリーズ第三短編集。
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
編集者を経て2001年『ホラー作家の棲む家』(講談社ノベルス/『忌館』と改題、講談社文庫)で作家デビュー。2010年『水魑の如き沈むもの』(原書房/講談社文庫)で第10回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
62
文庫にて再読。「椅人」新たに収録。ミステリ強めだけど、やっぱりクロさんと祖父江のシリアスブレイカーがいない回は覚えていても、時折ゾクッとする・・・。しかし、再読でも表題作はやはり「卍の殺人」思い出すんだけど。2022/11/13
眠る山猫屋
51
若き日の刀城言耶というか、こんなに若かったのね。久々過ぎて忘れてたわ。彼が捲き込まれた五つの怪事件。日常から始まるから怪異の余波は比較的軽め、安心して読めるかな。それでも『巫死の如き甦るもの』みたいにグロテスクな展開が待つ物語もある。また『獣家の~』のように安楽椅子探偵的な異色作も含む。白眉はやはり表題作。まさかの犯人に、開いた口が塞がらない見事なミスリード。その解説は蛇足だと思うが、確かに騙されたなぁ・・・。大家さんや阿武隈川烏先輩、さらに天才美人編集者の祖父江偲ちゃんらに引っ掻き回される不憫な言耶。2023/10/16
らすかる
28
表題作を含む5編の短編集。刀城言耶が5作品味わえるのってすごく贅沢かも! 相変わらず2転3転する推理も慣れればご愛嬌。ラストでゾワッとくるのもありで、じっくりホラーミステリーを味わえました。ご馳走様😋2022/07/23
おうつき
26
このシリーズはやっぱり長編でないとという思いはあるが、さらっと読めて意外と面白かった。表題作は普通に騙されて驚いたが、怪異が前面に出てくる「妖服」や「獣家」の方がどちらかといえば好み。偲と阿武隈川があまり好きではないせいもあるが、最後の「椅人」だけあまり受け付けなかった。素材は良かったのになんだかもったいない感じ。2022/11/12
マッちゃま
23
いや〜今年も堪能させていただきました♪ シリーズ短編集第3弾。解説にもありますが過去作全てとは言いませんがシリーズのいくつかは(「山婆の如き…」とか)を読まれておく事を強くオススメします。今回は刀城言耶が学生から作家になったばかりの頃に起こった怪事件の5作品。ミステリ好きならばムフフと思いながら楽しめる怪異も装飾された本格ミステリ的な謎が提示され、論理的思考の末に明かされる謎解きに僅かな染みのように残されるホラーテイスト。この塩梅がクセになってます。ああ、本当に今から次作の文庫化が待ち遠しくて堪りません。2022/06/23
-
- 電子書籍
- 孫の足音
-
- 電子書籍
- スピーディワンダー 〈08〉 ヤングチ…