講談社学術文庫<br> 「民都」大阪対「帝都」東京―思想としての関西私鉄

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講談社学術文庫
「民都」大阪対「帝都」東京―思想としての関西私鉄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065212745
  • NDC分類 686.216
  • Cコード C0121

内容説明

ターミナルデパート、高級住宅地…国鉄に対抗し「官」からの独立を志向する関西私鉄は、沿線に市民文化を花開かせ、「民衆の都」大阪は東京をも凌駕した。だが、大正から昭和への転換、昭和天皇行幸を機に、大阪の街は次第に「帝都」へと変質してゆく―。鉄道と天皇という視座から日本近代の思想史的断面を描いた、著者代表作。

目次

はじめに―昭和大礼の光景
第1章 私鉄という文化装置
第2章 「私鉄王国」の黎明
第3章 「阪急文化圏」の成立
第4章 昭和天皇の登場
第5章 阪急クロス問題
第6章 「帝都」としての大阪
おわりに―「紀元二千六百年」の光景

著者等紹介

原武史[ハラタケシ]
1962年、東京都生まれ。放送大学教授、明治学院大学名誉教授。早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学大学院博士課程中退。専攻は日本政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

87
本書を読んで自分がいかに大阪という町を知らぬか改めて思う。深い意味はなく地理的に知らないのだ。東北に生まれ「帝都」周辺に居を定めて幾星霜。関西には住んだことはない。それでも京都、神戸は多少縁もあったし旅行にも来たので少しは馴染みもあるが大阪はさっぱりだ。ターミナル駅の位置や様子さえよく思い浮かばない。著者は「帝都」に対立する存在として「民都」大阪を天皇と鉄道という視点から描くが、自ずと論旨は関西の私鉄の歴史と思想性に収斂する。阪急小林一三の「官」に対する反骨は知っていたが、関西私鉄はそれだけではないのだ。2021/06/27

無重力蜜柑

17
傑作。学問に傑作という言葉は通常使わないが、面白い人文系の研究は「傑作」になるのだと分かる。議論の中心となるのは関西圏の戦前鉄道史であるが、それを東京と比較しながら、天皇という変数を考慮し、政治思想史として記述するという。一歩間違えれば珍説奇説の類になりかねない(なっているかもしれない)が、緻密な史料調査に裏付けられており、着眼点が独特すぎるのもあって終始読む手が止まらない。久し振りに良い人文書を読んだと思う。ただ、これは自分が関西出身東京在住なためかもしれず、二地方に縁もゆかりもない人の感想が気になる。2023/11/15

かんがく

13
刺激的な読書だった。旅をしてなんとなく感じていた東京と大阪の鉄道文化の差異が、歴史的背景とともに語られていてスッキリした。阪急に代表される私鉄王国であった大阪が、昭和天皇に象徴される帝国によって侵食されていく経緯がよくわかる。鉄道とは近代化において重要な役割を果たしたメディアであり、より深く学ぶ必要を感じた。2021/01/31

さとうしん

12
大阪を「帝都」東京に対する「民都」と位置づけて見る近代関西「私鉄王国」史。その大阪も一枚岩ではなく、長らく歴史上の空白地帯であったキタに対し、ミナミは古代以来の王権を中心とする歴史に彩られていた。そしてクロス問題での阪急の敗北と昭和天皇の大阪行幸を機に、大阪は「帝都」の様相に取り込まれていく。その歴史は昨今の大阪都構想でも幾ばくか尾を引いているようである。都構想がキタ中心に展開されているのは歴史の皮肉を感じるが…2020/10/17

おっとー

11
近代日本において東京は国鉄が覇権を握る一方で、大阪は私鉄が独自の文化を創り上げた。その最たるものが阪急であり、沿線に住宅や娯楽を整備することで利用者を増やし、さらに国鉄を見下ろす形で架橋を建設した。しかし昭和天皇即位とともに潮目は変わり、行幸や国鉄の復権などにより徐々に大阪に「帝都」の影が忍び寄る。「民」中心の大阪の鉄道文化はたしかに独自のものだが、御堂筋の整備や地下鉄の建設は「官」によるものだし、そもそも小林一三も関西人ではない。現在の東京との規模の違いを見るにつけ、大阪の「民」の限界を感じてしまう。2021/10/06

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