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講談社ノベルス
今昔百鬼拾遺 月

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  • サイズ 新書判/ページ数 744p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784065190197
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

出版社内容情報

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。しかも斬り殺されるんだという話でした」 昭和29年3月、駒沢野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。(「鬼」)

複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。(「河童」)

是枝美智栄は高尾山中で消息を絶った。約二箇月後、群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服をまとっていた。この謎に旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子の悲恋が重なり合い―。『稀譚月報』記者・中禅寺敦子が、篠村美弥子、呉美由紀とともに女性たちの失踪と死の連鎖に挑む。天狗、自らの傲慢を省みぬ者よ。憤怒と哀切が交錯するミステリ。(「天狗」)

内容説明

昭和29年3月に起きた連続通り魔「昭和の辻斬り事件」。「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は事件を通じて女学生・呉美由紀と知り合い、その年、続々発生する怪事件に関わることになる。「鬼の因縁で斬り殺される」「河童の仕業で連続水死」「高尾山中で天狗攫いが」。怪奇が、事件の真相を呼び起こす「稀譚小説」。

著者等紹介

京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年北海道生まれ。’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。この二作を含む「百鬼夜行シリーズ」で人気を博す。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、’16年「えほん遠野物語」シリーズなど遠野の文化への多大な寄与により遠野文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

84
講談社ノベルスのこの分厚さは随分、久しぶりだ…。京極堂ら、レギュラー陣は一切、出ず、事件もどれも遣り切れないものばかり。しかし、理解し得ない罪を犯した者を異質と切り離そうとする事への反論、恋愛観の変化、原子力使用、戦争責任、男女平等とLGBTなど、現代の思想が変わりゆく気配を帯びていた戦後の女性陣達と組み合わさり、爽やかさを生み出している。特に美由紀ちゃんの啖呵は気持ちが良い一方で、あの事件のあの子への考えがブレないのが切なかった。「鬼」の根幹を担った『ヒトごろし』もそろそろ、読もう。2020/12/17

優希

56
面白かったです。百鬼夜行シリーズのスピンオフで、メインの3人は一切出てきません。事件もどれもやりきれないものばかりだという印象でした。昭和初期の時代背景に現代の問題をさりげなく織り込んでいるのが興味深かったです。読みどころである付物落とし役が異なるのも新鮮でした。2021/02/14

雪紫

53
「絡新婦の理」の呉美由紀が再登場し敦っちゃんと友達に。まさかの美弥子嬢や金ちゃんも再登場。どれもこれも陰惨な事件だが、掛け合いや啖呵で幾ばくか中和させられる(最も「天狗」は一番掛け合いが良い分胸糞だけど)。美由紀の啖呵に口には出さないけど良く言った。と警察の方々思ってそう・・・何気にベルナール学院の名なしの関係者の今後が気になるところ(京極堂を疫病神だと思ってそう)。そして栃木や東北で京極堂達が何してるのかも・・・。その後もシリーズ出るのを期待。勿論、美由紀や美弥子嬢の活躍を。以下コメにて各話の感想。2020/12/23

ポルコ

31
文庫版でそれぞれ読了済みだったが、やっぱり分厚い弁当箱サイズの講談社ノベルスを手元に置いておきたくなり、再読。そしてまたまた美由紀の長めの啖呵に号泣。2021/08/14

ぴー

29
「絡新婦の理」で登場した女学生美由紀と、京極堂の妹敦子が巻き込まれた3件の事件。今回は京極堂たちは一切登場しない。ゆるゆるとした会話が、いつしか河童や天狗の話になり、そしておぞましい事件につながっていく。気づけばいつもの京極の世界。当時にしてはかなリベラルと思われる2人の女性の考え方が面白く、美由紀ちゃんの演説は読者の言いたいことを代弁してくれる。分厚いながら読み始めればあっという間だった。過去作の記憶がかなり薄くなってるので、また読み返そう。2021/03/02

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