講談社学術文庫<br> ルネサンスの神秘思想

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講談社学術文庫
ルネサンスの神秘思想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062920957
  • NDC分類 132.3
  • Cコード C0122

出版社内容情報

自然魔術、占星術、錬金術、数秘術、カバラ……。暗黒の中世の後、甦った古代の神々と叡智。オカルトも含めルネサンスを読解する。自然魔術、降神術、占星術、錬金術、数秘術、呪術的音楽、カバラ……。
暗黒の中世を経て、甦った古代の神々と叡智。
もうひとつのルネサンス文化・思想史

千年の「暗黒時代」の後、ルネサンスが花開く。エジプト、ギリシア、古代ヨーロッパの数多の神々が召喚され、<古代神学>が大興隆。ヘルメス、ゾロアスター、ピュタゴラスらの教説の神秘主義的刻印とは? 哲学・思想・宗教的諸説混淆(シンクレティズム)の精神風景を、オカルトも交え描く。15世紀フィレンツェで咲き乱れた神秘思想へのコンパクトで本格的な入門書。

<神々は再生した>。……古典古代のさまざまな宗教的観念(あるいは祭儀さえも)が復活しようとしていたのである。そして、キリスト教の<唯一の神>と異教の<神々>との対話、闘争、講和が、イタリア・ルネサンスの文化と思想を根底で条件づけているのである。……ヘルメス、ゾロアスター、オルフェウス、ピュタゴラスたちの教説は、自然魔術、降神術、占星術、錬金術、数秘術、呪術的音楽など、いわゆるオカルト学的要素や神秘主義的傾向を多く含んでいる。――<「プロローグ」より抜粋>

※本書の原本『神々の再生――ルネサンスの神秘思想」は、1996年東京書籍より刊行されました。

 プロローグ ジョヴァンニ・ダ・コレッジョ、あるいは<神々の再生>
第一部 <神々の再生>の歴史
 第一章 蘇るオリュンポス神――詩の復興
 第二章 異教哲学の再生
 第三章 プラトン主義とキリスト教
 第四章 <哲学的平和>の夢
第二部 <神々の再生>の諸相
 第五章 エジプトの誘惑
 第六章 <古代神学>と魔術
 第七章 占星術と宮廷芸術
 第八章 カバラの秘儀
エピローグ ジャンフランチェスコ・ピーコ、あるいは<神々の黄昏>


伊藤 博明[イトウ ヒロアキ]
著・文・その他

内容説明

千年の「暗黒時代」の後、ルネサンスが花開く。エジプト、ギリシア、古代ヨーロッパの数多の神々が召喚され、“古代神学”が大興隆。ヘルメス、ゾロアスター、ピュタゴラスらの教説の神秘主義的刻印とは?哲学・思想・宗教的諸説混淆の精神風景を、オカルトも交え描く。一五世紀フィレンツェで咲き乱れた神秘思想へのコンパクトで本格的な入門書。

目次

ジョヴァンニ・ダ・コレッジョ、あるいは、“神々の再生”
第1部 “神々の再生”の歴史(蘇るオリュンポス神―詩の復興;異教哲学の再生;プラトン主義とキリスト教;“哲学的平和”の夢)
第2部 “神々の再生”の諸相(エジプトの誘惑;“古代神学”と魔術;占星術と宮廷芸術;カバラの秘儀)
ジャンフランチェスコ・ピーコ、あるいは“神々の黄昏”

著者等紹介

伊藤博明[イトウヒロアキ]
1955年北海道生まれ。北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、埼玉大学教授。専門はルネサンス思想史・芸術論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

14
ルネサンスというと単に文芸復興とか美術とかいう漠然としたイメージしか持てていなかった為、その裏にある豊穣な思想に驚かされた。しかしプラトンの復権や古の神々といっても、それはあくまでキリスト教に沿っての流れなのですね。それとも異なる思想に対して不寛容なキリスト教が占星術やらギリシャの多神教をここまで受け入れたのに驚くべきなのか。カバラや占星術についても基本的なことは載っていたので、勉強になる。あと巻末の参考文献が非常に充実しているので、興味のある分野をチョイスできそう。2012/03/05

Mits

5
日本語にすると「文芸復興」だけれども、少なくとも本書で語られている内容は「復興」というよりもキリスト教を主とする「習合」と言う方がふさわしい。キリスト教の枠を外れないように古代の哲学や神学を再解釈することに要したこじつけや都合のいい抜粋には、苦笑というか、微笑ましいというか。 「習合」によってキリスト教も多少は変質しただろうとはいえ、逆に言うとこれは、一神教の大枠がかくも強固であることを意味しているわけで、彼らがこの殻を破るには宗教改革では足りず、市民革命を経た現代でも、よもや… と思ったり。2012/03/21

蛭子戎

4
ルネサンス期のフリーダムなキリスト教神学をまとめたありそうでなかった本。ネオプラトニズムが数百年を時を経てイタリアに蘇りユダヤのカバラやグノーシス主義なんかをごちゃ混ぜにして魔改造されていくところはかなり面白い。その魔改造された神学を一層するのがサヴォナローラの恐怖政治であったこともまた興味深い。いまだにフィレンチェで祀られているヘルメストリスメギストスなんかロマンあふれる。2018/03/24

やんも

2
ルネサンスの宗教、哲学における温故知新は、ローマ・ギリシャ神話をキリスト教の先駆的なものととらえ、ピュタゴラスやアリストテレスも、神を示そうとしていたとした。さらにヘルメスやゾロアスター、カバラに至るまで貪欲に取り込んで、すっかり謎めいてしまい、後の世に小説やコミック、アニメの元ネタを作った。占星術などは、複雑なトレカゲームのルールのよう。そこまで当時のインテリ・イタリアンが熱狂的になったのはなぜ? ちょっと中二病っぽいよ、といったら怒られるかな?2012/06/13

onisjim

1
フィチーノ、ピーコ・デッラ・ミランドラを軸にしながら話をすすめることで、ルネサンス思想の理解に向けてのよい入門書になっていると思った。むしろ最後のカバラについての部分は無くてもよかったくらい。「この時代の思想に関するわれわれの知識はあまり少ないのである」という著者の言葉が重たい。2012/06/09

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