• ポイントキャンペーン

講談社文芸文庫
現代小説クロニクル2010~2014

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062902953
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

1975年以降に発表された名作を5年単位で厳選する全8巻シリーズ、最終巻。現代文学の果てなき試み、拡がり続ける表現の地平1975年以降に発表された名作を5年単位で厳選する全8巻シリーズ、最終巻。現代文学の果てなき試み、拡がり続ける表現の地平

日本文藝家協会[ニホンブンゲイカキョウカイ]
編集

内容説明

言葉の循環「考速」。世界は連なる「絵画」。命のざわめき「街を食べる」。毒はゆるやかに「みのる、一日」。物語の中で僕らは「さよならクリストファー・ロビン」。解けない問題「田舎教師の独白」。月の光を浴びて「塔」。騒がしい店内で「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」。記憶の交錯「きことわ」(芥川賞)。メレンゲの不安「波打ち際まで」。郷里で謎の言葉が「うらぎゅう」。亡き愛人の影「夫を買った女/恋文の値段」。現代文学の新たなる地平、シリーズ第八巻(最終巻)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

giant_nobita

8
村田沙耶香の「街を食べる」と朝吹真理子の「きことわ」がおもしろかった。前者はものを食べる際の生々しい異物感や味わいの描写を、自分の肉体が大地と繋がるという神秘的な感覚にまで飛躍させ、それを反転させる手腕が見事だった。後者はなぜおもしろいのかを言葉で表現するのが難しい。夢や記憶と混じり合うことで、現在の光景が描かれていてもどこか薄膜を通して見るような淡い空気感に惹かれた、とでも言おうか。逆に鹿島田真希の「波打ち際まで」は言葉遣いが大仰で青臭く、作者は真面目に描いたつもりだろうがギャグにしか思えなかった。2017/08/20

 

2
村田沙耶香の小説がすごい。街の雑草を食べることにはまっていく女の話なんだけど、一言で言って、生理的に気持ち悪い。しかし、この気持ち悪い話を、ある種の説得力を持って読ませる。この小説は、単行本未収録らしいので、そういう意味でもこの最終巻は読んで損はないと思う。2016/06/06

うさえ

0
シリーズ最終巻。これまで読んできた第7巻までの収録作も含めて、各作品がそれぞれの作家を象徴する小説と言えるかどうかは異論もあろう。それでも、「現代文学の新たなる地平」を示すものとして、小説による年代記(クロニクル)を編む試みは評価されるべきだし、各巻の解説にある発表当時の世相を重ねると、また違った表情が見えてくる作品も多かった。現代社会に蔓延する閉塞感を打ち破るだけの力が、もしも文学にあるとしたら、それは、闇の中から希望を語っていくことではないか。どれほどかすかであっても、変わらぬ光を示してほしい。2023/11/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9963963
  • ご注意事項