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講談社文芸文庫
銀色の鈴

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062901062
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

滋味溢れ洗練された筆致で清爽な世界を描く前妻の死から再婚までを淡々と綴った表題作、戦前の良き時代の交友を語る「昔の仲間」、疎開先での教員体験を描いた「古い編上靴」など、珠玉の七篇を収めた名著

内容説明

前妻の死から再婚までを淡々と綴った表題作、戦時下、疎開先での教員体験をユーモラスに描いた「古い編上靴」―これら世評の高い“大寺さん”シリーズほか、伯母の家の凋落に時代の変遷を重ねる「小径」、戦前の良き時代の交友を哀惜の情をもって語る「昔の仲間」など、七作品を収録。滋味あふれる洗練された筆致で、ほのぼのと温かい独特の世界を創り出した「小沼文学」中期の代表的作品集。

著者等紹介

小沼丹[オヌマタン]
1918・9・9~1996・11・8。小説家。東京生まれ。1942年、早稲田大学を繰り上げ卒業。在学中より井伏鱒二を知り師事する。高校教員を経て、58年より早稲田大学英文科教授。54年上半期、下半期と「村のエトランジェ」「白孔雀のゐるホテル」がつづけて芥川賞候補となる。その後、日常に材をとりながらユーモアとペーソスのただよう洒脱な文体で独自の世界を築く。70年、『懐中時計』で読売文学賞。75年、『椋鳥日記』で平林たい子文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はちくま

8
戦争や奥様を亡くされた体験など、必ずしも明るい話題ばかりではないのだけれど、「自分」に距離を置いているというか、自己憐憫に流されないので、さらりとした読み心地。ところどころ声をあげて笑ってしまいました。可笑しうてやがて哀しき・・・。しかし、鳥や花の名前を「覚えていな」かったり「忘れてしまった」り、何の鳥や花だったのか気になる!2013/07/02

三月★うさぎ

7
やはり小沼丹はいい。「小径」という伯母さんの話がいい。でも250頁の文庫本で1400円!驚いた。2011/01/15

ゆかっぴ

6
この人の文章を読んでいると、せかせかした日常から離れられるような気がします。じんわり沁みいるような味わいがあります。2013/03/21

みや

5
1967年から71年にかけて発表された短編を収録。背景をぼかし、印象的な事柄にピントを合わせることで、鮮やかに場面が浮かび上がる。孤独や煩悶を抱えているばずなのに、感傷的表現を徹底して排除し、淡々と書かれる過去の思い出。その中にさりげなく知人らの死が織り込まれることにより、人生の儚さがぐっと迫りくる。2018/09/06

myung

5
小沼丹の作品は最初は私小説的な肌触りだが、読んでいくと実は全然違うものであることがわかる。特に大寺さんシリーズは、内的な動向を仔細に著述することをやめ、あることがあったままの状況を提示している。しかし全く描写していないかといえばそうではなく、我々がとりとめもなく考える小さな事柄のようにそれは描写される。そこに我々は、記憶の中からどこかにたような光景を探し出し、胸が締め付けられるような懐かしさや物悲しさをおぼえる。そこに至っては死も戦争も、大寺さんの目の前におかれた事象にすぎない。2013/07/01

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