講談社文芸文庫
インド酔夢行

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900201
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

判型:A6判
頁数:256p
造本・体裁:仮製・薄表紙・カバー

軽妙洒脱かつ深遠なるインド旅行記の決定版

紀元前と紀元後がうず巻くインドの混沌のなかをウィスキー片手に旅する詩人。ユーモア溢れ、詩人らしい鋭い切れ味の言葉でインドの奥深さを語る紀行文学の白眉。

内容説明

世界で一番美しい夕陽を見に、いざ、コモリン岬へ―詩人のインド旅行は始まる。黄色のナップザックの中には鎌倉八幡宮のお守りと百円玉が五枚、そして同行者が買った紙のパンツをはいて。紀元前と紀元後がうずまくインドの混沌の中を歩き、蚊に悩まされながらも、あらゆる酒を飲みつくす。七三年の初インド体験と翌々年の再訪、ネパール旅行を併せた、軽妙洒脱で深遠な紀行文学の白眉。

目次

コモリン岬に夕陽を追う
ガンジスの流れに沿って
ネパール酔夢行

著者等紹介

田村隆一[タムラリュウイチ]
1923・3・18~1998・8・26。詩人。東京生まれ。明治大学文芸科卒。1939年、府立第三商業学校の同級生・北村太郎の紹介で、神戸の中桐雅夫編集の「LE BAL」に参加、鮎川信夫、三好豊一郎らを知る。43年、横須賀第二海兵団(武山)に入団。敗戦後9月に京都から復員。47年9月、第2次「荒地」創刊、2号まで編集人となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュール リブレ

24
読メの読みたい本の棚卸し中。いつだったか登録した一冊。旅に行けないけど、なんか行きたい気分の時に、インドの紀行文は最高(^O^)/ 少し昔の旅話ですが、そうは言っても、やはりインド。あのスパイシーな匂いは同じように感じる。映像では再現できない、あの酷暑と匂いが、本を読んでると蘇ってくるのが不思議なものだ。インドのウイスキーもワインも、名前だけの危ない酒だったが、さて、今はどうだろうか。2016/04/10

三柴ゆよし

14
紙パンツを履いたじじい、インドへ行く。同行者はインド狂の黒狐と青き三十歳童貞。「酔夢行」とあるとおり、旅の基本は酩酊である。よく飲み、且つ食う。マラリヤと象皮病の恐怖におびえたりもする。とはいえ酔うてはいても(いるからこそ?)、田村隆一の生きた感性は、インド的な混沌のありさまを、身体レベルでとらえている(特に匂いの描写が圧倒的)。千鳥足めいた旅路を彩るのは、詩人による過剰なまでの言語の氾濫。言葉がドライヴする。これは素晴らしい旅行記。よって本書を酩酊文学の教科書に指定します。異論は認めます。あしからず。2011/11/14

めぐ

12
70年代前半のインドっていうとあほなヒッピー兄ちゃんがあふれていたんじゃないかと思ってしまうのですが、むしろ「汚されていない」インドを50代の田村隆一さんと子分?が行く、とても美しい旅行記です。まだインドが「不思議の国」だったころの情景が詩人の目を通して描かれます。インドの様々な街を歩くのですが、詩と散文の間も行ったり来たりします。この非常に身体的な感覚が心地よくて、生きて、旅することがとても感動的に思えます。巻末の田村さんのポートレートがかっこよすぎます、惚れます。2018/01/31

yamahiko

12
日本のタゴールによる軽妙洒脱な紀行文。インドに憧れていた昔の自分を思い出させてくれました。2017/08/16

kyoh

6
詩人・田村隆一の1973〜75年のインド紀行文。当然、表現が詩的・観念的な箇所が多い。宗教建築の描写もよく出てくるけれど、見聞のない私にはビジュアルが浮かばず、読み進めるのが結構辛かった。2011/01/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/160934
  • ご注意事項