講談社現代新書
「昭和」を点検する

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062879507
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0221

出版社内容情報

「昭和」という時代を5つのキーワードから「点検」してみると、いったい何が見えてくるのか?なぜ、あの無謀な戦争に突入したのか? 五つのキーワードがあぶり出す日本人の弱点。昭和史研究の第一人者が、 いまの時代にどうしても語っておきたかったことを凝縮した珠玉の対論。序章  ありふれた言葉で昭和史をよむ/第1章 世界の大勢/第2章 この際だから/第3章 ウチはウチ/第4章 それはおまえの仕事だろう/第5章 しかたなかった

序章  ありふれた言葉で昭和史をよむ
     5つのキーワード/せめて、いっそ、どうせ/いずれも受け身
第1章 世界の大勢
     自分の都合のいいように/「五箇条の御誓文」/ロシアへの恐怖
     ノモンハン事件/名刀をもてば……
第2章 この際だから
     「対英米戦ヲ辞セス」の一句が……/あるのは希望的観測ばかり
     大日本帝国憲法第11条と第12条
第3章 ウチはウチ
     新聞がおかしくなってくる/政府の尻を叩く新聞各社
     「日本言論機関の名に於て」/衆議院の決議から政府声明へ
第4章 それはおまえの仕事だろう
     奇妙な電文/首相兼陸相兼参謀総長/昭和天皇にとっての「仕事」
第5章 しかたなかった
     言葉のアヤ/立憲君主として/「蟻の兵隊」/捷号作戦
     電報握りつぶし/「昭和の点検作業」は、まだまだこれから


保阪 正康[ホサカ マサヤス]
著・文・その他

半藤 一利[ハンドウ カズトシ]
著・文・その他

内容説明

なぜ、無謀な戦争に突入していったのか。五つのキーワードがあぶり出す日本人の弱点。昭和史研究の第一人者がどうしてもいま語っておきたい歴史の虚実がここにある。

目次

序章 ありふれた言葉で昭和史をよむ
第1章 世界の大勢―近代日本の呪文
第2章 この際だから―原則なき思考
第3章 ウチはウチ―国家的視野狭窄の悲喜劇
第4章 それはおまえの仕事だろう―セクショナリズムと無責任という宿痾
第5章 しかたなかった―状況への追随、既成事実への屈服

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒業。ノンフィクション作家。昭和史の実証的研究を志し、延べ四千人もの関係者たちに取材してその肉声を記録してきた。個人誌『昭和史講座』を中心とする一連の研究で、第五十二回菊池寛賞を受賞

半藤一利[ハンドウカズトシ]
1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。『週刊文春』『文藝春秋』各編集長、専務取締役を歴任。作家。「歴史探偵」を自称。『漱石先生ぞな、もし』(文藝春秋)で第十二回新田次郎文学賞、『ノモンハンの夏』(文藝春秋)で第七回山本七平賞、『昭和史』(平凡社)で第六十回毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

35
半藤『昭和史』読了の勢いで斜め読み(笑)。瀬島龍三に興味が湧いた。いつか保阪『瀬島龍三』を読もう。2011/03/05

James Hayashi

29
二人の対談で昭和を切りとっている。昭和といってもほとんど戦時中のことだが。瀬島龍三や蟻の兵隊にも触れている。2020/02/26

鐵太郎

7
題名に異議あり。「昭和」を点検すると言いながら、点検しているのは昭和始めの前1/3、つまり昭和20年ぐらいまでではありませんか。戦闘に突入していった日本を憂い、その原因をあぶり出す、と言うことが意図なのだから、題名に関しては再考を願いたいもの。(笑) と言う訳で、大正初めあたりから昭和に入り、日本があの戦争に入っていった流れを、保阪正康氏と半藤一利氏は5つのキーワードで語ります。このキーワードを考えたのは講談社の編集者だそうですが、なかなか面白いですね、これ。2009/01/13

おらひらお

7
2008年初版。主に軍部が独走し出す頃の日本についての対談です。基本的に責任の所在が曖昧なことは今も昔も変わりませんね。こんな国が戦争をしても前と同じように兵卒や一般の国民だけが苦しむことを再確認させる一冊でした。2015/03/03

田園の風

7
昭和史研究の第一人者であるお二人の対談を一冊の本にまとめたものである。この本では明記していないが、日本が軍国主義に向かった最大の要因は、弱肉強食であった明治期の世界情勢と、その時代における日本の自存自衛にあったと考えている。しかし、公表310万人、一説には500万人とも600万人とも言われる犠牲者を出した先の大戦を思うに、日本人は日露戦争により、軍、官、民ともに戦争の旨味を覚えてしまったのだと思える。日露戦争を総括することは、当時としては、あり得ないことだったのだろうか。血を吸わないと国は固まらないのか。2012/08/28

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