講談社文庫
真剣―新陰流を創った漢、上泉伊勢守信綱〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 405p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062774598
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

信玄にもその器量を認められながら廻国修行に出た信綱は宝蔵院の槍、柳生の剣と出会う。兵法の極みを目指した男達の巨編、大団円へ!降臨 剣の極意とは、死なぬことなり。
血湧き、肉躍る剣戟。
立合の息詰まる心理。読後に深い余韻を残す、これぞ海道作品の真骨頂!

剛の神道流と柔の陰流を融合させ「新陰流」を編み出した秀綱。だが度重なる戦の中で兵法者として円熟を増しながら戦国武将としての苦悩は続く。敵方、信玄にまでその天稟を認められながらも晩年、兵法の極みを目指して出た廻国修行で、ついに「転(まろばし)」の極意に至る。己の信じる道を突き進んだ漢(おとこ)の熱い生き様!

※本書は、2005年11月に新潮文庫より刊行されたものを上下に分冊しました。

其の七 怒 濤
A.D.1545. Province Musashi,The Castle "KAWAGOE".
其の八 一 槍
A.D.1556. Province Kouzuke,The Castle "OHGO".
其の九 受 命
A.D.1563. Province Kouzuke,The Castle "MINOWA".
其の拾 闘 茶
A.D.1563. Province Ise,The Chateau "KIRIYAMA".
其の拾壱 盟 友
A.D.1563. Province Yamato,Primary Capital "NARA".
其の拾弐 死 合
A.D.1563. Soul Shadows Under The Serious Sunlight.
破の舞 輪 廻
After A.D.1563. Chain Reactions Of Soul Synchronicity.

阿呆舟の途方──文庫版あとがきにかえて
阿呆舟、再び──文庫新版の跋にかえて


海道 龍一朗[カイトウ リュウイチロウ]
著・文・その他

内容説明

剛の神道流と柔の陰流を融合させ「新陰流」を編み出した秀綱。だが度重なる戦の中で兵法者として円熟を増しながら戦国武将としての苦悩は続く。敵方、信玄にまでその天稟を認められながらも晩年、兵法の極みを目指して出た廻国修行で、ついに「転」の極意に至る。己の信じる道を突き進んだ漢の熱い生き様。

著者等紹介

海道龍一朗[カイトウリュウイチロウ]
1959年生まれ。2003年に『真剣』でデビュー、中山義秀文学賞の候補作となり、書評家や歴史小説ファンから絶賛を浴びる。2010年には『天佑、我にあり』が第1回山田風太郎賞、第13回大藪春彦賞の候補作となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

goro@80.7

33
伊勢守秀綱から信綱へ名が変わる件は驚きゾクゾクするような話でありました。五十路を過ぎて廻国修行へと向かう信綱にまだまだこれからだぞと共感を覚えました。己にとって生きる真髄とは何か!死に体となった己を奮い立たせ真の剣を求める信綱。剣も生きるも無位無形。宝蔵院胤栄との立ち合いも熱いラストでありました。己の陰を斬れるか?己の陰とは何か?新陰流の真髄を堪能いたしました。これぞ新たな剣豪小説、海道龍一朗追わねばなるまい!2016/05/26

姉勤

30
兵法者と武将は似て非なるもの。上州の一城主だった上泉秀綱は、北条の侵攻に、武田の攻略に、主人でありかつ従者、強者であるが弱者の立場から、師から学んだ生き残る兵法で処していく。ただ生き残ることが全てであれば、生ける屍と同じく、生涯を賭した剣の真髄には達せられず。出世も功名も捨てた秀綱は、信綱という名と新たな生命を得る。3章分削ぎ落としたと云う著者の弁があるように、面白い故の食い足りさもある。改めて言うまでもなく、真剣勝負とは刃を交えるだけが全てではなく、著者と読者の間にもそれはある。2022/10/15

アイゼナハ@灯れ松明の火

26
これは、単なる剣豪小説ではないですな。何かもっと真直ぐで熱いもの…。小なりとはいえ戦国期の北関東の城主たる身の上からの再生を賭けた武田信玄との真っ向勝負に瞠目し、伊勢の剣豪大名北畠具教との闘茶を通じて戦国の世で道を究めることへの奥深さを噛みしめ…と、ここまででも十分な読み応えなのですが、宝蔵院胤榮との、達人同士、共にその先を追い求めての、文字通りの真剣勝負の熱があっさりそれを上回ってくれました。理を保ちながら、よくもこのように見てきたように描けるもんだ。謹んで「天晴れ!!」と申し上げたい。2012/12/17

只三郎

19
下巻では戦国武将という立場から始まる。武将として思い悩み、苦悩しながらも名を上げる上泉信綱。 しかし、名を上げようとも己の生き方に疑問を持った末に選択したことは、実利を捨て、兵法者の道を究めることだった。 何とその時の歳は50代半ば。その歳で利を捨て、自分の信じる道を行こうとする信念と勇気に感服する。 現在の自分の歳は40代半ば。その頃の信綱公より10歳若いが、信綱公の境地に達するには余りにも遠すぎる。2020/05/16

タカボー

10
下巻の前半はガラリと変わって戦。この辺りの戦は北条目線で書かれることが多いけど、逆なのが新鮮。後半に柳生宗厳が出てきて、宝蔵院胤栄との勝負。現代で真剣での立ち合いは無いけど、覚悟とか気持ちの揺らぎとか仕事で味わうことを感じながら読んだ。主人公が異色で興味深かった。2022/02/20

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