出版社内容情報
人とヒトデナシという怪異が共存するいつかの日本。怪盗・無貌と探偵・秋津の戦いが始まる。メフィスト賞受賞作待望の文庫化。
人とヒトデナシという怪異が共存するいつかの日本。怪盗・無貌と探偵・秋津の戦いが始まる。メフィスト賞受賞作待望の文庫化。
内容説明
名探偵・秋津は、怪盗・無貌によって「顔」を奪われ、絶望の日々を送っていた。そこにサーカスにいた少年・望があらわれ、探偵助手になることに。そんな二人の前に、無貌から新たな犯行予告が送られてきた!狙われたのは鉄道王一族の一人娘、榎木芹―怪異的連続殺人事件に望と秋津が挑む。
著者等紹介
望月守宮[モチズキヤモリ]
2008年『無貌伝―双児の子ら』で第40回メフィスト賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロユキ
42
魅力的な世界観の推理小説でした。ヒトデナシの設定をいかした謎の組み立てかたがよかった。特殊な能力を前提にしたミステリではあるけど、「怪人vs名探偵」「少年探偵」みたいな熱い王道な展開もあって、そのどちらの面でも楽しめるくらい面白い。続編も気になる、はやく読みたいです。2013/01/09
さばかん
32
10年前の第40回メフィスト賞受賞作。 あまり比較するのは好きではないが、最近のに比べればこの頃はまだ新本格で面白かった。 まぁこの前後の受賞作が何だったのか覚えていないけど。 さすが西尾維新が絶句しただけある。 なのになぜか文庫版の続きが出ない。 これはとても悲しいことである。 THANATOSシリーズといいなんで文庫版の続き出さないん? 出してください……。2019/06/22
じゅんぢ
30
俺的ベスト100ミステリー第3弾。(この作品というか、このシリーズ全般に。)出来ればこの作品はこの一冊だけで評価せずにこのシリーズ全部読んでから評価してほしい。2019/04/25
gonta19
28
2012/10/16 Amazonより届く。 2012/12/7~12/14 第40回メフィスト賞受賞作。評判であった本作品。積読本のリストをすっ飛ばして読んだが、その価値があった。架空の世界で、一見あり得ない設定ではあるが、グイグイ作品世界へ引き込む魅力的な世界観とキャラ設定。ど偉い新人が居たもんだ。杉江松恋氏の解説も良い。無貌伝サーガ、続編も凄い楽しみ。2012/12/14
geshi
23
ヒトデナシが跋扈する伝奇小説的な部分と乱歩や横溝的ないかにもな探偵小説ガジェットの織りなす雰囲気は良いんだが、世界観の作りこみが甘くて掴み切れなかった感じ。続編で掘り下げられる部分があるのは分かるが、これは探偵としての存在意義を失った探偵と、自分のよるべき場所がどこにもない助手による探偵以前の物語であり、完全に『無貌伝』サーガの序章。この世界ならではの見えない人のトリックとか、それを成立させるための条件の詰めとか面白いとは思うけれど。2015/04/14