講談社文庫
天海譚 戦川中島異聞 天佑、我にあり〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 403p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062773324
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

才も互角、武も互角。勝敗を決するのは天の意思。裏の裏を読みつくす知的謀略と頁をめくる手がとまらない緊迫感。勝者は誰なのか!

才も互角、武も互角。勝敗を決するのは天の意思。裏の裏を読みつくす知的謀略と頁をめくる手がとまらない緊迫感。勝者は誰なのか!

内容説明

互いの謀略の限りを尽くし、機は満ちた。武田の鶴翼の布陣に上杉の車懸かりの布陣が襲いかかる。奇襲に次ぐ奇襲、その血で大地の色が変わるほどの無数の死者。なぜ両軍はそれほどまでの死闘を続けたのか?戦いの魔に魅入られた男たちの死に様を精緻な筆致で描く、その緊迫感に頁をめくる手が止まらない。

著者等紹介

海道龍一朗[カイトウリュウイチロウ]
1959年生まれ。2003年に剣聖、上泉伊勢守信綱の半生を描いた『真剣』で鮮烈にデビュー、中山義秀文学賞の候補作となり、書評家や歴史小説ファンから絶賛を浴びる。2010年には『天海譚 戦川中島異聞 天佑、我にあり』が第1回山田風太郎賞、大藪春彦賞の候補作となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

future4227

38
いよいよ啄木鳥の戦法が発動される後編。表題に「異聞」とあるから作者独自の史観が披露されるのかと思いきや、意外にも通説通りの展開。しかしながら、本当に謙信は妻女山に布陣したのか?妻女山までの山道を1万2千もの軍勢が移動できたのか?大将同士の一騎打ちはあったのか?といった様々な疑問への回答を示すべく、かなり詳細な作戦が説明されている。思わず納得。様々な武将を一人一人丁寧に描きこんでいるため、どの武将にも肩入れしてしまう。特に柿崎景家と武田信繁の一騎打ちは涙なしでは読めない。川中島を描いた小説の中では最高傑作!2017/06/24

金吾

35
○両将を始めとした武将たちの揺れ動く心や戦術が真に迫り面白かったです。大量の損害が出ていることからも視力を尽くした戦いであることがよくわかりました。著書を始めて読みましたが、他の作品も読んでいきたい作家だと思いました。2023/01/05

オカメルナ

29
下巻に入り、ついに武田軍が動き一挙に合戦モードに突入する。武田軍対上杉軍の息詰まる様な攻防戦。有名な信玄公対謙信公の一騎打ちの場面のみならず、彼らに使える武将や忍びたちの凄まじいまでの戦いぶりも鮮烈に描く海道さんの筆致に圧倒され、胸が苦しくなりながらも読む手が止まらない。相対する其々のどちらに天佑があったのか。神のみぞ知るなのでしょうか。どちらかに肩入れするのではなく、双方ともに非常に上手く描かれていたと思う。2013/12/08

アイゼナハ@灯れ松明の火

24
勿論、合戦の結末は知っている。知っているにも関わらず…この手に汗握る読み心地は何事!!(笑)いよいよ啄木の戦法で局面を動かしてくる武田方。謙信推しとしては真に申し分のない展開で事は進んでいくのですが…主戦場の川中島の様子だけでなく、急ぎ主戦場に馳せ戻らんとする武田別動隊、少しでも時間を稼ぎ防ぎ止めんとする上杉殿軍甘糟隊の描写にも十分紙幅を割いているので、圧しているにも関わらずタイムリミットが迫り来る緊張感が巧く醸し出されています。結局、どちらに天佑があったのか?凄い戦だったんだなぁと改めて感嘆。2012/08/14

Haru

22
息詰まる心理戦から一転、激しく熱い合戦が繰り広げられる後半。信玄対謙信もさることながら、両陣営の武将たちもそれぞれ心に期するものがあり、その想いを胸に敵に立ち向かう姿が、生き生きと書かれていて目に浮かぶようでした。毘沙門天の化身か申し子か、という謙信もほどよく人間味があり魅力的に書かれています。中盤の武田信繁と柿崎景家の一騎打ちは、手に汗握る緊迫感で、最期のやりとりは胸に迫ります。この場面があるのなら、もう少し信繁について書き込んで欲しかったな。正統派の歴史物ではありませんが、この川中島、お勧めです。2013/11/06

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