出版社内容情報
政治家へ、官僚へ、明治維新と同じ腐敗をいつまで続けるのか。伊藤博文、大隈重信ら、元勲たちの「裏の顔」を暴く!
政治家へ、官僚へ、明治維新と同じ腐敗をいつまで続けるのか。伊藤博文、大隈重信ら、元勲たちの「裏の顔」を暴く!
内容説明
尾去沢銅山払い下げ問題、西南戦争と、台湾正討をめぐる汚職、シーメンス事件―。高き志で維新を成し遂げた、伊藤博文、井上馨、大隈重信らの元勲は、なぜ汚職政治家へと堕落したのか。三菱・三井を筆頭とした政商との癒着、熾烈な藩閥闘争の真相を暴き、明治国家を築いた元勲たちの“裏の顔”に迫る歴史ノンフィクション。
目次
軍艦成金とゴルフ
右手に商売 左手に政治
右手に薩長 左手に徳川
元勲たちと死の商人
藩閥・財閥の絡み合い
議会と政党と海坊主
第三の閥族たち
財閥はいかにして作られるか
閥外政商の生きる道
著者等紹介
三好徹[ミヨシトオル]
1931年、東京生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。読売新聞社に入社。記者生活のかたわら、執筆活動を開始。’67年、『風塵地帯』で第20回日本推理作家協会賞、’68年に『聖少女』で第58回直木賞を受賞する。推理小説、歴史小説など幅広いジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mitz
2
最近“維新”という言葉をよく目にする。戦前もそうだったが、先行き不透明な世相は、懐古趣味も相俟って輝かしい過去に範を求めるのかもしれない。確かに明治維新は奇跡とされる。…が、この本を読むと、元勲や三菱・三井などの政商による汚職や癒着にまみれた反面もあったことが分かる。これは明治に限られるわけではなく、「人間は権力や金の前を前にするとあまりに弱い」という教訓を導きだす。足尾銅山の話は、本質的には今日の東電の問題にも繋がる部分があり、著者があとがきで言う通り、歴史から学ぶことは多いのである。2012/07/01