内容説明
緒戦の勝利での空疎な熱狂、情報と科学技術の軽視、偏狭なセクショナリズム、責任追及における主体性の欠如。あの戦争で露呈した日本人の錯誤を再び繰り返さぬためにはどうすればよいか。凡人は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。体験の風化を前に、ぜひ繙くべき「保阪昭和史」の集大成。
目次
プロローグ 「機密戦争日誌」が語ること
第1章 昭和十六年十二月八日の「熱狂」(国連ヲ賭シテ;いよいよやったか! ほか)
第2章 山本五十六の死と「情報」の軽視(“壮烈なる”戦死;司令長官は生きていた? ほか)
第3章 原子爆弾と日本の「科学技術」(ウランを十キログラム、大至急集めよ;「ニ号研究」と「F号研究」 ほか)
第4章 自ら「責任」を問えなかった東京裁判(真相はこうだ;大東亜戦争調査会の設立と挫折 ほか)
エピローグ 大東亜戦争と太平洋戦争、その呼称について
対談 あの戦争から自衛隊は何を学んだのか(保阪正康・中山隆志)
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、北海道札幌市に生まれる。同志社大学文学部社会学科卒業。日本近代史、とくに昭和史の実証的研究を志し、各種の事件関係者の取材を続ける。個人誌『昭和史講座』(年2回刊)を中心とする一連の昭和史研究で菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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