内容説明
歴史の決定的瞬間に居合わせた者、戦後を寡黙に生き抜いた者。真珠湾攻撃時の日本大使館員からA級戦犯の最期の声を聞いた宗教家まで、文献にはない迫力ある証言の数々。取材した相手の数のべ四千人、菊池寛賞受賞に輝く昭和史研究の第一人者が、次代へと語り継ぐ貴重な肉声を一冊に。
目次
第1章 歴史に生きる実像(犬養道子「五・一五事件では被害者が肩をすくめるという時代でした」;東条カツ「開戦前夜、主人は官邸の一室で泣いておりました」 ほか)
第2章 昭和史を貫く心(秩父宮妃殿下「昭和一六年秋、あの年は雨の多い年と記憶しております」;麻生和子「彼(父・吉田茂)は男性として魅力的な人物でしたね」 ほか)
第3章 先達の飾らぬ一言(美作太郎「著作者としての自分の権利を大切に守ることだね」;花山信勝「七人のA級戦犯は法話に関心をもちましたね」 ほか)
第4章 一路邁進に生きた人(森勝衛「欧米航路の船長五十年、英国人作家との友情…」;服部四郎「人生、六十歳になって初めて考えたことがある」 ほか)
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、北海道札幌市に生まれる。同志社大学文学部社会学科卒業。日本近代史、とくに昭和史の実証的研究を志し、各種の事件関係者の取材をとおして、歴史のなかに埋もれた事件・人物のルポルタージュを書く。個人誌『昭和史講座』(年2回刊)を中心とする一連の昭和史研究で菊池寛賞受賞
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