内容説明
夜な夜な洋食屋でホラを吹いたり、日がな碁敵と真剣勝負したりするジジたち。インド旅行だって平気、片思いする孫や年下の茶飲み友だちのいるババたち。下は60歳から上は83歳まで。不安だってあるけれど、どこが逞しく生き抜く老人たちの日常を愛情こめて描き出す。時におかしく、時にしみじみする十二景。
著者等紹介
清水義範[シミズヨシノリ]
1947年名古屋市生まれ。愛知教育大学国語科卒。1981年『昭和御前試合』で文壇デビュー。1986年『蕎麦ときしめん』でパスティーシュのジャンルを確立。1988年『国語入試問題必勝法』により吉川英治文学新人賞
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感想・レビュー
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雲をみるひと
21
30年ほど前が初出の様々な高齢者が主人公の短編集。編によって主人公が異なるので濃淡はあるが、主人公とその周辺の人が面白おかしく描写されているので、全体感としては楽しめる作品だと思う。昔は本作で描かれているような老人が普通にいたような気がするし、懐かしい気持ちにさせてくれる作品だと思う。2023/08/18
miwapicco
6
もう、何度読んだか分からないし、ほぼ文章もエピソードも覚えてるけど、何度読んでも面白い!2019/11/20
Kaz
5
50歳になりこの手の内容が遠い未来ではなくなってきた。でもまあ、まだまだ大丈夫。それに、60歳を超えた自分がどんな生き方をするのか、ちょっと楽しみでもある。2016/09/22
麦焼酎
2
若いころは老化に怯えていたけれど、いまは、そんな自分の変化を見つめながら「老人の暮らし」について考えたりする。いずれ自分も通る道なので。そこでこの本。いろんな老人たちの生活がギュッと詰まっています。「八十年間世界一周」のバアサンはカッコイイ!けど、現実的には「おしどり」みたいな生活の人が多そう。「お客さん」の春子は悲惨だな・・一番最後の「ひとり」のバアサンより悲惨だ。家族がいての孤独は、本当のひとりである孤独より辛いことは想像に難くない。2023/11/25
ゆずぴ
2
なんか作者の年よりへの愛情を感じるというと言いすぎかもしれないけど悲喜こもごもがかかれててこういう風に過ごしたいと思ったりこうはなりたくないと思ったり。年を重ねても中身はそんなに変わらないからこそ悲しいこともあるんだけど元気に年寄になれたっていうのは勝者だというのはよく分かる。80になった時のこの人の話が読みたい。2015/03/01