内容説明
幕末、迫りくる列強の魔手を憂え、海防献策のため蝦夷地に渡った青年、松浦武四郎。彼の目に映じたのは、松前藩の圧政に呻吟するアイヌの姿だった。水戸の志士や吉田松陰との交遊を重ねながら、彼は時代の怒涛に呑み込まれてゆく。北に一生を捧げ、「北海道」の名付け親として今に知られる探検家の雄渾な生涯。
著者等紹介
佐江衆一[サエシュウイチ]
1934年東京生まれ。文化学院卒。コピーライターを経て、1960年「背」(新潮社同人雑誌賞)で作家デビューする。『北の海明け』で新田次郎文学賞、『黄落』でドゥ・マゴ文学賞、『江戸職人綺譚』で中山義秀文学賞を受賞
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感想・レビュー
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さっと
3
「北海道」の名付け親として知られる松浦武四郎は、憂国の志士であり、偉大な探検家でありました。幕末から維新後にかけての交流録がまたすごい。最後には在野の人となったけれど、そういう人だったんだねー。2011/09/11
えひめみかん
2
大先輩・松浦武四郎の物語。探検家で、北海道の名付け親。。。いつか大河ドラマとかにならんかな2015/02/22
ふじもん
1
幕末の探検家でもあり尊皇攘夷の志士でもあったんですね。アイヌの惨状に心痛め改善に尽力するヒューマニズム、まさに北海道の名付け親でした。2019/06/18
らいしょらいしょ
1
これは個人的に、とーっっっても大事な資料となった。松浦武四郎については、先日ヒストリアでも紹介されてたけど、もっと皆様知ってください〜;北海道の名付け親というだけでなく、この人のマルチでタフなところは、今の政治家や研究家にもぜひ見習ってほしい。馬角斎、などと号し、渋団扇に今のサイン帳よろしく、いろんな人に何か書いてくれと頼んでまわり、それらをきちんと整理していた人でもある。膨大な著作も勿論だが、そのマメさよ。”鉄の足”武四郎の生家を、近いうちにも見学に行きたい。2015/07/05
陸
1
先に幕末の話を読んでいたので、敗者側になった藩士たちが北海道などで過酷な暮らしをしていたけれど、先住していたアイヌの人たちは、江戸時代の藩政の為に、もっと過酷な暮らしを押し付けられていたことを忘れてはならない。2009/10/24