出版社内容情報
一冊一話形式の幼年向け世界名作絵本決定版小さくて弱いものが大きくて強いものに勝つという、子どもに勇気をあたえる昔話。グリム童話の中でも親しまれているお話を、人気絵本作家黒井健の絵で紹介します 幼児から
内容説明
お話のつくり方という点からみると、とてもよくできていることがわかります。お母さんやぎが、「おおかみをうちへ入れるんじゃないよ、声はがらがら声だし、足が黒いから。」と言ってでかけると、言われたとおり声はがらがら、足は黒いおおかみが現れました。昔話は、“ことば”で言われたことを“できごと”で繰り返すのが好きなのです。「いばら姫」でも、予告された運命どおりのことがおきています。お母さんがおおかみのおなかをはさみで切り開くと、6匹の子やぎが元気にとび出してきます。これは、厚紙を切って作った子やぎがおなかの中にしまってあって、それが出てきたような感じです。図形的で、生々しさがありません。そしておおかみ自身、おなかを切開されたのに知らずに寝ています。血も流れていません。これも昔話独特の語り方で、写実的ではなくて、まるで厚紙で作ったおおかみのようです。残酷な感じはまったくありません。だいじなことは、子やぎ全員がおなかから無事に出てくること、そして悪者が死ぬことなのです。子どもは安心して眠りにつくことができるでしょう。