内容説明
性に奔放な34歳の愛人・静子。あどけなさの残る20歳の葉子。「性具」と「飼育」、岸波は2人の女との情事に溺れ、“小さな死”という名のオーガズムを求めて喘ぐ。死を求めながら、死に恐怖する。老いのとば口に立った1匹のオスが渇望する真のエクスタシーとは?社会の禁忌に触れる、衝撃の情事小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツカモトカネユキ
3
作者をモチーフにした情事小説。今から22年前の作品です。当時の年齢であればうらやましくもあり、飛びぬけた感もあるでしょうが、主人公と同じ年の現在では、いささか捉え方が変わります。現実的には、超えた部分と至らない部分が映しだされます。光源氏ばりに育てていきますが、めくるめく快楽を含む人生を探し続けるのは、いくつになっても変わりありません。そのやり方と姿が変わるだけで。まだまだ続く終わり方で、作中でも出てくる20年後の姿も眺めてみたくなりました。2019/04/19
ジョイフル
2
主人公が小説家の作品。 結婚していない点を除いて北方氏の経歴に結構似ている。 女性についての心理描写はちょっと好きになれなかった。 スポーツジムのボクシングや釣りの様子のほうが読んでて好印象。2019/08/14