講談社文庫<br> 戦国幻野―新・今川記

電子版価格
¥1,047
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

講談社文庫
戦国幻野―新・今川記

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 685p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062638791
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

東海の強国駿河は、守護今川氏親の手で着々と覇道を進んでいた。東に北条、北に武田、大国が激しく牽制しあう戦国の世、氏親とその妻妾の息子たちも、奇しき愛憎の闘いに巻きこまれてゆく。野望のままに、広大な富士の裾野を馳ける、武者と修験者たちの凄絶な生と死。今川一族の興亡を描き切った傑作長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

四葉

14
「芳菊丸(幼名)」「栴岳承芳(号)」「義元」と名が変わるにつれ立場、周囲が変わり、教えられて来た事から新たな自我を育てていく過程が面白く成長記として読むならとても魅力的に感じました。思いを込め難い隣国や他家との関係を兄弟という繋がりを通して見ることでその苦悩や受難をも共感しやすく描かれている感じ…ただ最後まで山本さんの生き様だけは理解できず…何方かその意味を教えて欲しいくらいです。最後は儚く皆川さんらしくない作品でしたけれども面白かったです。2013/04/15

巨峰

9
織田信長・徳川家康そして武田信玄が主人公の小説の敵役として取り上げられることはあっても、真正面から描かれることの少なかった駿河今川氏。今川義元・雪斎を主人公にした待望の歴史小説。とはいうものの、そこは皆川博子。正史稗史を織り交ぜて、中世の妖しさの名残を感じさせる優れた物語になっている。 『瀧夜叉』『妖櫻記』が好きな人は是非。おいらは○本村だけで正体わかったぜ。2010/04/07

けやき

6
今川義元を補佐した九英承菊(太原雪斎)を中心とした今川家の興亡に、富士修験に生き神とされた炸耶様の闘いを絡めて描いた伝奇小説。 今川義元というと桶狭間の戦いで、織田信長に蹴散らされた武将ですが、兄の玄広恵探と家督を争う「花倉の乱」を勝ち抜いたみたいです。 今川氏親を父にもつ5人の兄弟の物語でもある。史実かは別ですが(笑) 炸耶様の人生も波乱に満ちています。 物語の最後には義元の嫡男の氏真が登場。 雪斎に「天下はいらぬ」と答え、今の<さとり世代>を思ったりしました。 太平の世を生きる理想の姿かも。2014/07/31

rakim

5
歴史小説と思ってはだめ。伝奇時代小説というべき。群雄割拠の時代、多少主筋からは離れた駿河の地で、権力争いと愛憎劇が絡んで独特な世界を繰り広げていきます。修験者群像の記述が妙に長く、大筋が捉えにくい気がしたところが惜しいです。皆川さんの作品としては少し違う趣でした。2012/01/29

木賊

3
今川氏輝・義元の代を中心に、今川氏一族の興亡を描く伝奇ロマン。戦国武将の英雄的一生を描く伝記小説とは趣が異なり、弱肉強食の時代に生きる弱く優しい者、空虚な者、愛憎半ばする者などの生を描く、虚実織り交ぜた人間ドラマとなっている。経験或いは年齢を経て人が変化するさま、それでも変化できずにいるさまが哀しい。2013/01/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/545929
  • ご注意事項