内容説明
吉田松陰に十八歳で出会い教えを乞い以降維新革命に尽瘁、二十八歳でこの世を去った高杉晋作。その尊王倒幕の運動によって盤石の徳川幕府はついにゆらぎ、倒壊は時間の問題となったのだ。時代を駆け抜けた傑出した人間の型破りの青春の客気を、晋作自身の視点を通じ描く断然面白い新しい歴史小説の誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
69
高杉晋作は、生まれついての革命家だといえる。上巻では、吉田松蔭の影響を受けガチガチの攘夷論者だった高杉晋作が暴れまわる。彼の奇抜な言動と、攘夷論者から開国主義に変わっていく過程が興味深い。2020/09/19
harass
62
司馬遼太郎以外の作家がこの人物をどう書き分けるのかを見たくて借りる。この作家は初読みで、司馬作品の盗作疑惑でしか名前を知らなかった。司馬のは1971年の作品だが、こちらは94年で、資料にない逸話は一応紹介するが史実ではないと語る。晋作の上海視察旅行の様子から始まる。晋作の実際の日記からの引用が多めだ。晋作の一人称視点がほとんどで進む。中国の英雄神話についてに膝を打った。本来の英雄の意味に驚く。シナリオ出身の作家のせいもあるのか、明快でスイスイ読みすすめられる。上巻は、馬関戦争が始まったところで終わる。2017/09/19
ロッキー
24
動ケバ雷電ノ如ク、発スレバ風雨ノ如シ…。長州が生んだ天才、幕末の革命児を俗説を省き史実に基づいて描かれている。上海行きの船の途上から始まり清国で西洋列国の進出を目の当たりにし、合理性ある攘夷倒幕からの開国論を見出す。上巻では英国大使館焼き討ち・脱藩・奇兵隊の創設とまだ活躍は物足りないけど、長州藩がこの天才を見捨てず必要とし育てあげたエピソードがおもしろかった。藩からも愛されていたのだろう。まあ久坂玄瑞と仕組み欧米諸国に喧嘩を売り藩を非常事態にさせたのもあるけども…。活躍の準備は整い、下巻に期待したい。2011/06/01
り こ む ん
13
感想はまとめて。2013/11/05
花々
7
若者たちが、それぞれに志を持ってより良い国にしていこうとする姿が熱い。そのために仲間を失い、歯痒い思いも乗り越えて、これから晋作がどうリーダーシップをとっていくのか。。。2013/12/04