内容説明
夕暮れどきにアジアの街に着く。肌が熱帯のとろりとした空気に包まれ、肩の力がスーッと抜けていく。忙しかった日常の垢も溶けていく。日がな一日、茶屋で人々を眺めたり、あてもなく街をぶらつく―怠惰に過ごすという快楽。貧乏旅行の達人が、アジアの旅の魅力と極意を綴った痛快・愉快・トホホな旅読本。
目次
第1章 アジアの誘惑
第2章 アジアの歩き方
第3章 アジアの快楽、アジアの憂愁
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
307
小林紀晴が解説を書いているのだが、この2人は間違いなく日本を代表するアジア・ライターである。これに蔵前仁一、高野秀行というあたりを加えれば、この分野の有名どころがほぼ揃うだろう。小林が同じアジア漂流とはいっても、時代の違いと旅のスタイルの違いを指摘している。確かに小林がこの解説を書いているのはルアンプラバンに於いてである。村上春樹が日航のファーストクラスで行って『ラオスにいったい何があるというんですか? 』を書いた所だ。一方で下川の描くアジアは、より底流のアジアである。どちらが本物とは言わないが、そこに⇒2018/05/07
糜竺(びじく)
43
アジアの旅読本です。正直、日本ではありえない事が、盛りだくさん記されていました。特に、バスについては驚きました。引用「この種のバスの得意技はバス停で停まらない事である。何かこういう事がカッコいいと思ってるのか、俺達は忙しいんだから、いちいちバス停なんかで停まっていられるか、とイキがっているのかは知らないが、とにかく停まらないのである」「バスは終点に近づき、徐行状態に入っているとはいえ、男達は飛びつき必死に乗り込もうとするのだ。ひどい奴は窓にしがみついて、そこから車内に入ろうとする」ある意味笑えました!2016/04/12
ryuetto
9
20年以上前に書かれたアジアへの旅の感想本。当時のアジアの様子がよくわかる。今はもう、だいぶ変わったかもしれないなあ。とも思うけれども、ゆったりまったりマイペースで生きるアジアの人々のだいご味が感じられて、それがとても好きだという筆者の思いも伝わってくる。 そういう世界にあこがれもするけど、そこで生きていくのは大変だろうなあ。という感じもする。この同じ空でつながった世界のどこかにそういう場所もあると感じさせてくれたのはよかったと思います。世界は広いなあ。地球は大きいなあ。としみじみと思う。2018/01/10
HIRO1970
4
☆☆☆2012/05/26
you123
3
BOOK-OFFの100円コーナーで最初に探すのが『下川裕治』『椎名誠』 ……今回も掘り出し物に出会えました。2014/07/04