内容説明
江戸の初め、幕府にはキリスト教の布教を隠れ蓑にスペインが日本征服を狙っているとの危惧があった。幕府を支持する一派は、兵法家として名の通った宮本武蔵の贋者を使い、異教徒狩りをおこなっていたのだ。本物の武蔵は贋者を追ううちに政争に巻き込まれていく…。風雲の時代に生きた剣豪を描く歴史小説。
感想・レビュー
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ポチ
43
イスパニアの日本植民地化計画に巻き込まれた武蔵!楽しく面白い作品でした。2024/01/22
TheWho
17
「逆説の日本史」で異彩を誇る著者が描く、二人の宮本武蔵と、江戸初期のキリスト教布教の裏に隠された陰謀が絡んだ歴史伝奇物語。時は、2代将軍秀忠の御代、時代は戦乱から安定に推移しながらも、スペインを利用し海外派兵を目論む一派とそれを阻止する一派、そして日本制服を狙うスペイン・カトリック勢の争いに巻き込まれた真偽の二人の宮本武蔵が絡み合い壮絶な物語が展開していく。随所に歴史上の人物が登場し、また大航海時代の植民地政策が絡み著者の歴史観が彷彿とされる。歴史エッセイより面白い著者の作品を堪能できる一冊です。2016/09/27
ドナルド@灯れ松明の火
13
初井沢元彦。宮本武蔵の剣聖と呼ばれるようになるまでの悩みもがきと、偽物が現れキリシタン特にパードレ殺しまくるその背景に潜む謎を絡めていかにもそうだったかもしれないという話に引き込まれた。巌流島以降五輪書を著すまでの動静が不確かなこともあり作者の推測も交えしかも結末がものすごい。気に入った。2014/01/02
きら
2
井沢さんの時代もの、ってちょっとひねってあって、本当に面白い。アクションシーンもすごく良く、映像化したらいいのになぁ、と思いながら読んでました。2021/02/19
ふーぱお
2
武蔵が、30代の頃の歴史上空白時代の活躍を補完した剣豪(?)小説。さすが井沢先生とうならされました。隠れた名作とはこのような作品を言うのでしょうね!他の読者の指摘にもありましたが、ヒロイン役の扱いが少し雑で残念でした。武蔵に女は必要ないという井沢先生の解釈だとしぶしぶ納得笑2021/01/17