内容説明
夫婦約束をしてお銀と江戸暮らしを始めた夢介だが、道楽修業どころか、待っていたのは剣難色難ばかり。夢介の天性のおおらかさと怪力、お銀のけなげな活躍でそれを振り払った二人は、父親の許しを得るために小田原へ向かう。だが、事はそう簡単には運ばない。ふたたび波乱の道行きが始まった。山手文学を象徴する快作に、幻の続編『夢介めおと旅』を併録して贈る、待望の「夢介シリーズ」完全版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たーくん
10
大枚千両を使い江戸で道楽してこい。小田原の豪農である父親から途方もない宿題を与えられた青年夢介は旅立った。図体は大きいが底抜けのお人好し。懐中を狙った名うての美女道中師・お銀も、そのとぼけた温かさには、いつしかベタ惚れ。前非を悔い、よき女房たらんと、ともに江戸に入ったのはいいが…。明朗朴訥なスーパーマンの善意あふれる言動を描き、敗戦日本の心を潤した大衆小説の代表的傑作。2022/07/05
岡嶋
0
小田原へ戻ってそっちで一悶着あって大団円!みたいなのを勝手に想豫して親父さんがどんな人か読んでみたくて買ったのだけど、全然そんなことにはならず小田原での話は無くてトラブルはおんなじものばかり、しかも話の途中で終わってしまいちょっと肩透かし。下巻は買わなくても良かったかなー。 昔の時代小説にケチつける気はないけど、舞台化するときはもうちょっとお銀をかっこいい人物に作ってくださいお願いします!!2021/12/29