講談社選書メチエ<br> 易、風水、暦、養生、処世―東アジアの宇宙観(コスモロジー)

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講談社選書メチエ
易、風水、暦、養生、処世―東アジアの宇宙観(コスモロジー)

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586214
  • NDC分類 120
  • Cコード C1330

出版社内容情報

暦、易、風水、養生、処世――われわれの生活に浸透している東アジアの宇宙観を明確に示し、今こそ必要な思想として紹介する力作。恵方巻、鬼は外、端午の節句などなど、日本の風俗には、古代中国から東アジアに脈脈と伝わってきた、さまざまな習慣があります。それは、伝わったと言うより、われわれの生活そのものと言ってもいいでしょう。
古代中国に発し、広く、東アジア全域に伝播していった「コスモロジー=宇宙観」が、その根底にあります。
その本質は、世界を陰と陽、そして木火土金水の、陰陽五行でとらえるかんがえかたです。
これは、進化前進をむねとする西欧思想とちがって、陰がきわまれば陽になり、陽がきわまれば再び陰になる、というように、循環型の思想です。
そこには、古くて、かつ未来型の考え方があります。
本書では、宇宙観でありながら、あくまで実用に供した東アジアのコスモロジーを、暦、易、風水、養生、処世の五つの要素から解説していきます。
われわれの身体深くに浸透しているコスモロジーの新たな、未来への可能性を示唆する一冊です。

序章 なぜいま東アジアの宇宙観(コスモロジー)なのか
第一章 暦――四季のめぐりと自然のリズムを感じる暮らし
第二章 易――万物の有機的連関と共生
第三章 風水――大地と人、人と人がつながりあう空間
第四章 養生――未病に処する身体と楽天的人生
第五章 処世――身を修め、国家を治め、人の絆を重んじる


水野 杏紀[ミズノ アキ]
著・文・その他

内容説明

「趨吉避凶」という言葉がある。吉に趨き、凶を避ける。要するにわざわいを避け、幸福に暮らすこと。中国では、古代から、そのためのさまざまな思想や技術が蓄積されてきた。それは。中国大陸に留まらず、朝鮮半島、台湾、そして日本を含む東アジア全域に伝播してきた知恵である。その知恵には、まさに東アジアの宇宙観がみいだされる。易、風水、暦、養生、処世の五章に分けて、その全貌を解説する力作!

目次

序章 なぜいま東アジアの宇宙観なのか
第1章 暦―四季のめぐりと自然のリズムを感じる暮らし
第2章 易―万物の有機的連関と共生
第3章 風水―大地と人、人と人がつながりあう空間
第4章 養生―未病に処する身体と楽天的人生
第5章 処世―身を修め、国家を治め、人の絆を重んじる

著者等紹介

水野杏紀[ミズノアキ]
大学卒業後、民間企業にて商品開発・販売戦略等のプロジェクトに従事。易との出会いを機に研究活動を開始。大阪府立大学大学院人間社会学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。現在は関西医療大学非常勤講師、大阪府立大学客員研究員、熊猫学舎文化研究所主宰。主要研究テーマは術数と東アジアの思想・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風太郎

7
今、宇宙に関する本を集中して読んでいるのですが、西洋の宇宙観だけでなく、東洋の宇宙観も読んでみたいと思い、この本を選びました。気・陰陽五行というものが東洋の宇宙観の根本にあり、それが宇宙の一部として取り込まれている人をつくる原理となっていると説いています。気とか陰陽五行というと、ともすると占いの方に関心が行ってしまいがちですが、古くからアジアに伝わる理論であり、なかなか説得力のあるものでした。現代の科学だけでなく、昔の「科学」に目を向けることで、別に見えることがあるかもしれません。2018/07/05

きさらぎ

3
良くも悪くも「読み物」という感じ。文章はさらっとしてるし古今の文献の紹介は軽くかいつまんだ感じだしそこが読みやすさでもあり物足りなさでもあり。ただし易の説明など分野によっては逆に煩雑。テーマの馴染みの深浅の問題かもしれないが。天地人、自然とその一部としての人間がいかに幸福に生きるかを追究するという、古代中国以来の世界観を、タイトルの分野それぞれで説明している。日本での受けとめられ方についても述べる。ご専門が「術数と東アジア思想・文化」ということで「歴史」から見るのとまたちょっと違うなあという印象を受けた。2016/07/22

天茶

1
★★★ 私には難しかったけど、もう少し基礎知識がある人なら易や風水などについては一通り整理できそう。「東アジア」と言いながら朝鮮はほとんど言及なしで、中国主体で日本も少しという感じ。でも「中国の宇宙観」と言うには日本への言及も多いので、タイトルの選択は難しいところだったんだろうなぁ。2020/05/09

nizimasu

1
つくづく日本古来と思われる四季の愛で方や養生法などの進展の原点となるのは古代の中国思想にありとうならされる本。中国の天をどう捉えるかというのは為政者が誕生した殷の時代からの政治の中心であり「避凶禍福」という人間のありようもまた現代の視点からみると非常に新鮮。今の中国は政治や民度の面で問題あるようにいわれているがその実、日本の文化に与えた土台としての中国の思想やオカルト的な易や宇宙観には学ぶべきことが多いような気がした。孔子の「我いまだ生を知らず。いずくんぞ死を知らんや」は今の日本人の過度な健康志向を戒める2016/05/11

木倉兵馬

0
実在した易者を元に小説を書こうと思っており、そのための資料として読んだ本。易、風水、暦までは関連が深いと思っていましたが、その基底にある思想が漢方、人との絆にまで及ぶとは考えていませんでした。また、儒教、道教、仏教(漢字文化圏のもの)が東アジアの思想に大きな影響を与えているのは知っていましたが、結構複雑に絡んでいるのだと改めて感じました。最近はライトノベルや西洋文学を中心に読んでいましたが、これからは中国の古典も読もうかと思います。まずは積ん読、および挫折中の岩波文庫版『易経』に再挑戦します!2017/10/31

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