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講談社選書メチエ シリーズ選書日本中世史
自由にしてケシカラン人々の世紀―選書日本中世史〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584678
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0321

出版社内容情報

選書日本中世史 第2弾!
可能態としての中世社会

この社会を変えることの困難さ、いまこの社会を生きることの困難さは、「公」が曖昧な形で「私」を包摂しているという、日本社会の<公共性>の構造に由来している。しかし、南北朝と戦国という中世における2つの「変革期」、それはたしかに、社会が変わる可能性をもっていた時代であった。その「変革可能性」が隆起しては陥没していったさまを、深く鋭い歴史学の視線と、きわめて平易で軽妙な語り口とで、あざやかに、そして熱く論じる!

序章 江湖散人の眼――可能態としての中世
第1部 「ケシカラン」世紀の可能性
第2部 戦国時代は人々を自由にしたか
終章 江湖放浪を決意すること――そのさきの近世


東島 誠[ヒガシジマ マコト]
著・文・その他

内容説明

惣村は住みやすいか?都市の空気は人を自由にしたか?―南北朝と戦国というふたつの動乱期にあって、日本型社会の「変革可能性」が隆起しては陥没していったさまを歴史学の視線と平易な語り口で論じる。

目次

江湖散人の眼―可能態としての中世
第1部 「ケシカラン」世紀の可能性(内藤湖南の「近代」とフロイスの「中世」;中世に向かう現代―あなたも君も十四世紀人?;妄想と打算―双面の後醍醐天皇;東アジア史のなかの一三四九―五〇年;一三六七年、二人の公方の死;ある禅僧の諦念―あまりに日本的な…作法;主体なき十四世紀と天皇)
第2部 戦国時代は人々を自由にしたか(閉塞とV字回復の十五世紀;足利義政と寛正の飢饉;都市は生きやすいか;惣村は住みやすいか;埋め立てられる“間隙”―徳川政治の起源;信長は中世を破壊したか;豊臣秀吉が壊し、作り変えたもの)
江湖放浪を決意すること―そのさきの近世(丸山眞男と“文芸的公共圏”;吉宗の時代の災害ボランティア;江戸時代の“読書革命”)

著者等紹介

東島誠[ヒガシジママコト]
1967年、大阪生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、聖学院大学教授。博士(文学)。専攻は歴史学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Syo

31
なかなか難しかったけど 興味深く読めたところも たくさんあって 勉強になった。 気がする。2021/07/13

きいち

30
『つながりの精神史』や『日本の起源』の東島誠、いわばメジャーデビュー作。近作同様にこの人いいなあ、と思うのが、歴史学の先行研究の内容だけでなく、<この時代だからこんな研究が意義を持った>、そんな歴史学の研究史も合わせた知の蓄積を踏まえていることをストレートに表すところ。だから自分の研究だって、今の日本という文脈に限定された、「今」の歴史学の成果。将来に向かってトスしていくべきものなのだ。◇一見当たり前のことかもしれない、でもこんなふうに、普遍にも極論にも逃げずに議論できるのって、かなり稀有な存在だと思う。2015/07/24

小鈴

14
歴史好きに限らずこれは広く読まれて欲しい。日本には西洋社会型の市民革命が起きなかったと言われるが、江湖という言葉が歴史上、三度の浮沈を繰り返したように、社会を変えようとする〈声なき声〉、言い変えれば〈変革可能性〉の地層は幾度となく「隆起」しては陥没していったのだ、ということを見逃してはいけない。中世を通して歴史の中の可能態を明らかにしていくが、変革期にある現代においても示唆深い。2012/08/31

かんがく

10
タイトルも内容もとても刺激的な一冊。日本中世史の学説を整理した上で、「公共」や「自由」などの概念をもとに新たな解釈を提示している。芸能・宗教・飢饉と権力がどのように対峙してきたかは面白い視点。2021/06/02

skunk_c

10
気鋭の歴史学者が、大学での講義の形態で中世の諸相に切り込む。石母田・網野史学から果てはポストモダンまでを飲み込みながら、実体という静的なものでなく、関係性という動的なものに注目して歴史を読み解いていく姿勢と、筆致の軽さから、一気に読み切る気になった。都市のとらえ方、公共概念、ボランティアなど、現代に引きつけた歴史の説き起こしには共感を覚える。が、博学なのはよく分かるんだけど、あちこちでそれが鼻につくのがちょっと。歴史学なんてある種の権威主義が跋扈するところでは、この位鼻っ柱が強くないとダメなのかな。2015/07/05

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