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講談社選書メチエ
人はなぜ戦うのか―考古学からみた戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582131
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0321

内容説明

縄文時代にはなかった戦争が、弥生時代、「先進文化」として到来した。食糧をめぐるムラ同士の争いは、いかに組織化され、強大な「軍事力」となるのか。傷ついた人骨・副葬武器・巨大古墳など、膨大な発掘資料をもとに列島の戦いのあとを読み解き、戦争発展のメカニズムに迫る。

目次

第1章 戦争の根源をさぐる
第2章 戦士の誕生―弥生時代の戦い
第3章 英雄たちの時代―弥生から古墳へ
第4章 倭軍の誕生―「経済戦争」としての対外戦争
第5章 英雄から貴族へ―古代国家の形成
第6章 国の形、武力の形―古代から中世へ
第7章 戦争はなくせるか―考古・歴史学からの提言

著者等紹介

松木武彦[マツギタケヒコ]
1961年、愛媛県生まれ。大阪大学文学部史学科卒業。同大学大学院博士課程修了。現在、岡山大学文学部助教授。専門は、日本考古学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

17
日本で一番古い戦死の遺体はケツに13㎝の磨製石器が刺さった弥生時代の壮年男性。治癒反応が骨にないため、戦死したと推測される。古墳時代には鉄を求めて、大陸に出兵するものの割とずたぼろに負ける。その後も大陸との戦いは多少なりともあったものの、辺境の島国であるがゆえに外敵なしで国家が形成され、理念が先行し、支配層の頑迷さが目立ち先の戦争につながったとの指摘で〆。…英雄たちの選択によく出られてる松木先生の本が読みたくなって、手に取ったのだけど、17年前の本なので著者近影がとてもお若い。最近の本も読もうと思う。2018/02/03

イボンヌ

10
いつになれば戦争はなくなるのか。採集狩猟生活に戻るしかないのか。考古学の先生による考察です。2018/10/17

Mentyu

3
大胆にも考古学の立場から「人間はなぜ戦争をするのか」について論じた本。日本列島で「戦争」が認知される縄文時代から弥生時代への変化に始まり、古代・中世までの考古学的に判明する軍事史について時系列的に論じ、最後には太平洋戦争という近現代史にまで踏み込んだ考察を記している。考古学の立場からそこまで論じるため飛躍しているのではないかと思う点も多々あったが、新しい知見を得る上では役に立つ一冊かと思う。2014/06/07

朝ですよね

2
縄文時代には戦争の形跡がないことから、戦争は本能ではなく利得のために起こると言える。要するに環境要因が大きい。社会が複雑化するほど、物理的な限界がない非物質的な利得がコンセンサスの代償になりやすい。外敵不在で軍事が統一がされなかったという、古代における島国ゆえの分裂性はよく分かる。"古墳時代以降の列島中央部において実戦本位の方向で武器が発達するのは、四~五世紀の短甲や鉄鏃の革新期、六世紀末から七世紀初めにかけての実用馬具の普及期、一四~一六世紀の山城と集団戦武器の発達期くらいであり、きわめて限られている"2022/04/05

Junko Yamamoto

0
日本人の成り立ちが弥生時代にあった。弥生時代から戦いが始まった、かといって縄文時代が幸せな時代でもない。食物が不安定なことは子供の死亡率が高かったであろうから。食事が安定し、人口が増えたために戦争になる。日本に中央集権国家がなかったことは日本人の特質にもなっている。また防衛無視、技術や科学ではなく人的資源で戦い通そうとする姿勢は「日本軍の失敗の本質」にもつながる。2016/05/21

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