講談社選書メチエ
イスラームの「英雄」サラディン―十字軍と戦った男

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062580755
  • NDC分類 289.2
  • Cコード C0322

内容説明

聖地エルサレムの奪還。全イスラームの悲願を背に、エジプトの君主、サラディンは起った。国際都市カイロの開発、十字軍との死闘…。中東の人びとの心に、今なお生きつづける「英雄」の本格的伝記。

目次

プロローグ サラディンの生きた時代
第1章 修行時代
第2章 エジプトの若きスルタン
第3章 カイロからエルサレムへ
エピローグ サラディン以後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

5
(図書館)今まで通しでは読んだことがなかったサラディンの軌跡。西洋視点からではなく、アラブ視点からの等身大のイスラムの英雄の姿。2023/03/10

富士さん

5
再読。サラディンのいい人感が物足りなくはありますが、こういう個人の個性が歴史の全面に立つことができた中世という時代を体現した人物であるように思います。自分としては、指導者の在り方で直接組織の在り方が決まるこの時代の秩序と世界でも最先端の合理性を持った官僚制や経済インフラを生み出し、高い生産性を誇るこの地域とのアンバランス感に興味をそそられます。離合集散を繰り返す政治情勢よりもこういう下部構造の成り行きの方が、よりダイナミックでおもしろく、それは現代の中東情勢の切り口でも言えることのような気がしました。2018/10/28

テツ

5
教科書にも出てくるイスラム世界の英雄サラディン。後世に伝わる話はバイアスがかかっているのだろうけれどそれを考えても名君だよな。十字軍の捕虜をむやみに殺戮することもなくエルサレムでムスリムのクリスチャンの共存さえ許した彼の足跡を辿っていると、本来のイスラムの教えという物はかなり寛容なんだなと理解できる。異教徒の集団から聖地エルサレムを奪還しシリアを商業都市として発展させようとした彼が今現在のシリア情勢(それもキリスト教を根源とした国による思惑が多分に絡んでいるような)を目の当たりにしたらどう思うんだろうか。2015/10/13

Saiid al-Halawi

5
宗教・防衛志向の絶望先生。その治世は全然スムーズだったワケじゃなくて、内外の微妙な政治力学があり、この人にもこの人なりのルビコンがあった様子がわかる。2014/01/28

つだしょ

4
ついでに、暇潰しに読んで、飽きたらやめようと思っていたが、スタバで全部読んでしまった。苦労のすえに、有名なエルサレムの奪回をした。十字軍への寛容さは、降伏者に対するイスラムの慣習にのっとっただけという。地理も人名も複雑怪奇でこんがらがるけれど、情勢、歴史の推移の奥深さ。スルタンとはいえ、サラディンのカリスマ性で指導者の地位があった程度の、あいまいな統治だったという事実。はびこる重税と不正統治…。へたな推理小説より何倍も面白い。2012/09/03

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