内容説明
時勢は猛っていた。風雲は急を告げていた。鳥羽・伏見の戦い、上野彰義隊戦争、戊辰戦争をくぐり抜けた英傑・川路利良は、明治政府の要請により、近代警察機構の創設を果たした。川路大警視が掲げた警察官の理想像とは何だったのか。“警察論語”ともバイブルとも呼ばれ、彼の人生の集大成として口述された『警察手眼』には、現代の日本型経営の原点といえる武士道精神と日本人のアイデンティティについて余すところなく語り尽くされていた。
目次
序章 動揺する幕藩体制(島津久光の武装東進;動乱の発火点 ほか)
第1章 回天をめざして(薩英戦争勃発;戦後処理と八・一八クーデター ほか)
第2章 戦火のなかの新政府(維新前後の比志島抜刀隊;鳥羽・伏見への道 ほか)
第3章 東京警視庁の誕生(西郷が指揮した藩政改革;動揺する新政府 ほか)
第4章 「大警視」の生と死(征韓論争と邏卒いじめ;変貌する司法省首脳部 ほか)
付録 『警察手眼』現代語訳
著者等紹介
加来耕三[カクコウゾウ]
1958年、大阪市に生まれる。奈良大学文学部史学科を卒業。同大学文学部研究員を経て、歴史研究家・作家として、独自の史観に基づく著作活動を行なっている。「歴史研究」編集委員
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