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切り捨てSONY―リストラ部屋は何を奪ったか

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062194594
  • NDC分類 549.09
  • Cコード C0095

出版社内容情報

都合6度、目標削減数8万人。ソニーのリストラ地獄はなぜ引き起こされたか。『しんがり』の著者が放つビジネス巨編!リストラ部屋にも誇りはある! 都合6度、目標削減数8万人。ソニーのリストラ地獄の中で、リストラ部屋の人々はいかに生き抜いたか。講談社ノンフィクション賞受賞作『しんがり』の著者が追ったビジネス巨編!


かつて「リストラはしない」と宣言した会社があります。「自由闊達なる理想工場」を目指し、世界を席巻したソニーです。しかし、事業の中核たるエレクトロニクス事業は挫折し、米国型経営者の登場とともに1999年に本格化した大規模なリストラ計画が、その後6度も延々と繰り返されています。
発表された人員削減数は約8万人。早期退職を拒んだ面々は「キャリア開発室」という名のリストラ部屋に次々に収容されていきました。その数は延べ数千人にも達します。

なぜ、理想工場はこんな泥沼に陥ったのでしょうか? 経営者たちは何をしていたのでしょうか? リストラ部屋の人々はその中でどう生きたのでしょうか?

本書は、リストラ部屋の目線からその全貌を暴いていきます。
登場人物は一人を除いてすべて実名です。
リストラされて「公園居酒屋」で飲む社員、リストラ部屋にあえて志願したエンジニア、一生を賭けた理想工場にしがみつこうとする女性、「ヒト切り」と呼ばれる人事部員、自らリストラを実施した末に会社を辞めようとする役員――地方の社員から役員まで、リストラに関わり、あるいは巻き込まれた人々が、その苦しみと誇りと再生を堂々と語ります。

この本には、嘆くだけのソニー社員は登場しません。怒り迷いながら、自分のなかの不安を見つめ、野に咲くたんぽぽのように再起の場に散って、ソニーのDNAを植え付けようとする人々が多いのです。彼らの生き方を通じて、ソニーのリストラが何を切り捨て、何を奪えなかったのかが明らかになります。

著者は読売時代から「伝説の社会部記者」と謳われ、フリージャーナリストとして活動を開始した、あの清武英利。前作『しんがり 山一證券最後の12人』では講談社ノンフィクション賞を受賞しています。2年7カ月に及ぶ取材が、切り捨てソニーの表裏を描き出します!!!

1章 ソニーの変貌 2006-2007
2章 ターニング・ポイント 1946-2006
3章 技術者たちの矜持 2008-2009
4章 リストラ志願 2012-2013
5章 元には戻れない・戻らない 2012
6章 ヒト切りSONY 2012-2014
7章 終わらない苦しみ 1954-2014
終章 奮闘する「辞めソニー」たち


清武 英利[キヨタケ ヒデトシ]
著・文・その他

内容説明

17年間で都合6度、目標削減数8万人。かつて「理想工場」と謳われたソニーはなぜ、終わりのない「リストラ地獄」に陥ったのか。『しんがり 山一證券 最後の12人』の著者が描く、会社人の苦しみと誇りと再生の物語。

目次

第1章 凋落の予兆―2006‐2007
第2章 ターニング・ポイント―1946‐2007
第3章 技術者の矜持―2008‐2009
第4章 リストラ志願―2012
第5章 マイレージ、マイライフ―2012‐2013
第6章 切り捨てSONY―2012‐2013
第7章 終わらない苦しみ―1954‐2014
終章 リストラでも奪えないもの―2013‐2015

著者等紹介

清武英利[キヨタケヒデトシ]
1950年宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、75年に読売新聞社に入社。青森支局を振り出しに、社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年8月より、読売巨人軍球団代表兼編成本部長。2011年11月18日、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任され、係争中。現在はジャーナリストとして活動。著書『しんがり 山一證券 最後の12人』で2014年度講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

197
かつて「世界のソニー」と謳われたソニーの リストラの物語である。 会社に期待されず、やることのない人々が 集う「キャリア開発室」の面々 …世界のソニーの変貌を 実名の登場者たちが語る。本書の見開きのページ:ソニーのリストラ年表が衝撃的だが…ソニーを辞めた人々の 心意気が逆に 頼もしい。家電業界を中心とした リストラに慣れた日本人が もう一度 置かれた状況を確かめるには 最適の本だった。2018/10/20

おいしゃん

80
巨人軍球団代表だった著者による、SONYのリストラを追ったノンフィクション。「山一証券しんがり」に続き、この本も良い。社員を大切にする温かな会社が、リストラ至上主義に走ってゆくさまはゾッとしたが、会社を去った社員たちが皆、希望の灯を絶やしていないところが救われた。もちろん、路頭に迷い絶望した社員が圧倒的多数なのだろうが…。2015/12/29

ずっきん

77
ストリンガー氏在任の頃の刊行なので、ニュートラルではないし、情報的には古い。リストラの嵐の頃の退職者個々への取材が中心で、そこが非常に興味深く、パラリとしたら一気読みしてしまった。2020/10/02

kinkin

57
SONYに限らず、日本の大企業の多くでこの本に出てくるようなことが起きているのではないか。構造改革、キャリア支援、ネクストステージなど一見きれいな言葉で包まれているが実は単なるリストラであること。そのリストラという言葉ももっと掘り下げれば、会社にとって必要のない社員を辞めさせるということだ 。今問題になっている長時間勤務やサービス残業は昔からあったことは私自身経験している。ただその頃は若いこと、そしてなにより会社と社員の間で信頼感のようなものがあったことは確かだったと思う。2015/10/07

飯田健雄

47
2時間ほどで読めた。結局、ソニーもイノベーションのジレンマや過去の成功体験によって衰退したことが理解できる。出井氏やストリンガー氏は、斬新な組織改編、グローバル化で乗り切ろうとしたけれど、アジア新興勢力(マーケティング・価格破壊)とシリコンバレーのディスラプティブ・イノベーションの波に、20年かけて、いきいきした組織構造から腐食が進む組織へと退化しまったわけだ。この流れで、リストラに直面し、葛藤し、必死にもがくソニーマン(女性も含むが)の生きざまを描いた著作である。2017/08/19

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