“世界史”の哲学 イスラーム篇

電子版価格
¥2,090
  • 電書あり

“世界史”の哲学 イスラーム篇

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062194488
  • NDC分類 167
  • Cコード C0010

出版社内容情報

世界史の謎を新たに読み解く壮大なシリーズ、第四弾、イスラーム帝国の社会構造の本質に迫る、待望のイスラーム篇!神自身が信仰を投資に例えるイスラーム教のもとで、どうして逸早く資本主義が発達しなかったのか?クリスチャンの息子達を集めて皇帝の忠実な親衛隊に育て上げたオスマン帝国の「デヴシルメ」はなぜ実現可能だったのか?法を重視し、法に徹底した情熱を注ぎこんだはずのイスラム圏で、「法の支配」がなぜ崩壊したのか。など、イスラーム帝国の社会構造の本質に迫る。
世界史の謎を新たに読み解く壮大なシリーズ、「古代篇」「中世篇」「東洋篇」に続く第四弾、待望のイスラーム篇。


第1章 贖罪の論理
第2章 純粋な一神教
第3章 〈投資を勧める神〉のもとで
第4章 「法の支配」をめぐる奇妙なねじれ
第5章 「法の支配」のアンチノミー
第6章  人間に似た神のあいまいな確信
第7章  預言者と哲学者
第8章  奴隷の軍人
第9章  信仰の外注
第10章 涜神と商品
第11章 イスラームと反資本主義

まえがき
第1章 贖罪の論理
第2章 純粋な一神教
第3章 〈投資を勧める神〉のもとで
第4章 「法の支配」をめぐる奇妙なねじれ
第5章 「法の支配」のアンチノミー
第6章 人間に似た神のあいまいな確信
第7章 預言者と哲学者
第8章 奴隷の軍人
第9章 信仰の外注
第10章 涜神と商品
第11章 イスラームと反資本主義


大澤 真幸[オオサワ マサチ]
著・文・その他

内容説明

異教の奴隷が君主にもなり得たイスラーム社会構造の謎と今。投資を良しとする教義のもとなぜ資本主義が逸早く発達しなかったか。法重視のイスラーム文化圏でなぜ法の支配が崩壊したか。日本人がいまだ知らない現代イスラームの不思議を解く鍵。

目次

第1章 贖罪の論理
第2章 純粋な一神教
第3章 “投資を勧める神”のもとで
第4章 「法の支配」をめぐる奇妙なねじれ
第5章 「法の支配」のアンチノミー
第6章 人間に似た神のあいまいな確信
第7章 預言者と哲学者
第8章 奴隷の軍人
第9章 信仰の外注
第10章 〓(とく)神と商品
第11章 イスラームと反資本主義

著者等紹介

大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。思想誌『THINKING 「O」』主宰。2007年『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

52
我々はキリスト教圏の外部者ですが、近代国家に生きている身とすれば、2流ぐらいの扱いにはなります。他方でイスラム教圏に行った場合、全くの外部者として3流以下の扱いになるのでしょうか。著者はこの点に自覚的です。日本語になる『クルアーン』の引用は殆んど無く、多くを井筒俊彦の仕事から引いています。近代はキリスト教のエートスによって成立しているという肯定との対比において、イスラムを近代化の点では否定的にみることができます。しかし、それはイスラム教が劣っているということではない、本来ならば商人倫理を持ち、法の支配が行2022/01/06

おさむ

41
何故資本主義はイスラム教国家ではなく、キリスト教国家で発達したのか。その「謎」を解明する大澤先生の論考。イスラム教は利子を禁じているからと信じていましたが違うんですな。キリスト教徒の子供をさらって兵士に教育する、世にも珍しいイスラムの慣習の存在等を知るにつけて、今なお続く「キリスト教vsイスラム教」の怨念と根深さを感じます。2016/07/26

みのくま

7
なぜ中世では先進的だったイスラム世界は、近代化・資本主義化で遅れを取ったのか。ぼくはそもそもこの問い自体に興味を失っている。なぜなら、イスラム世界は独自に文明的な社会を営んでいたのだから。彼らは彼らの合理性で神を愛する。その結果、神を媒介とした贈与交換を行い、時間の連続性(永続性)を否定する。他方、西欧は神=人間(イエス・キリスト)に見立てるという傲慢さで、近代化・資本主義化に邁進した。「東洋篇」でも感じたが、本シリーズの問題設定そのものである「西欧」の傲慢さにうんざりしてきた。これを中心に考察したくない2019/01/23

mob

4
お付き合いをするなら短気で暴力的なヤハウェより温和な善人のアッラーの方が良いみたいな話が印象的。もしイスラムの側が先進国を占めていれば、倫理観も今より緩くて自由を尊重したかもしれない。 好まれる名前の一つアブドは「奴隷」の意味というが、善良な主人なら幸せかもしれない。短気で暴力的な主人の下ではありえない考え方。 なお、イスラム教の宗教としての完成度の高さが重荷になった可能性も指摘される。本当に痛手なのはイスラム金融で解決できる利子禁止より、法人格を認めにくいこと。2020/10/01

MrO

4
イスラーム教を通してキリスト教の特殊さが浮き彫りになる。確かに、君がこれから犯すに違いない罪や後悔は僕が全て引き受けて許してあげるよ、と言われることは、永遠の呪いをかけられたような絶望感を伴うだろうと思う。いよいよ「近代編」に突入するのでしょうか。期待高まる。2015/11/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9519213
  • ご注意事項