パノララ

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  • サイズ A5判/ページ数 443p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062192255
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

友人の家に間借りすることになった主人公。個性豊かな家族に囲まれ、過去に傷を見つめ直す主人公。芥川賞受賞後初の長篇力作。二八歳の「わたし」(田中真紀子)は、友人のイチローから誘われ、彼の家に間借りすることにした。その家は変な家で、コンクリート三階建て(本館)、黄色い木造二階建て、鉄骨ガレージの三棟が無理やり接合され、私の部屋はガレージのうえにある赤い小屋。イチロー父の将春は全裸で現れるし、母で女優のみすず、姉の文、妹の絵波と、家族も一癖ある人ばかり。そんなある日、イチローは、自分はおなじ一日が2回繰り返されることがたまにある、と私に打ち明けるのであった。

柴崎 友香[シバサキ トモカ]
著・文・その他

内容説明

二八歳の田中真紀子は、友人のイチローから誘われ、彼の家に間借りすることになった。その家は建て増しを重ねた奇妙な家で、コンクリート三階建ての本館、黄色い木造の二階建て、鉄骨ガレージの三棟が無理やり接合されていた。真紀子はガレージの上にある赤い小屋に住むことに。イチロー父は全裸で現れるし、女優の母、無職の姉、モテ系女子の妹も一癖ある人ばかり。そんなある日、イチローは、自分はおなじ一日が二回繰り返されることがあると真紀子に打ち明けるのだった。芥川賞作家が放つ、新感覚パノラマワールド!

著者等紹介

柴崎友香[シバサキトモカ]
1973年大阪府生まれ。2000年『きょうのできごと』でデビュー。07年『その街の今は』で第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第23回織田作之助賞大賞、同年第24回咲くやこの花賞、10年『寝ても覚めても』で第32回野間文芸新人賞、14年「春の庭」で第151回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiro

117
芥川賞受賞作『春の庭』に続いて読んだ。『パノララ』はパノラマと言えない子どもの言葉。主人公田中真紀子はデジカメでパノラマ写真を撮るのが趣味。すぐに全裸になる父、女優で突然家を出て行く母、それぞれ不思議な能力を持つ父の違う兄弟3人という真紀子が間借りする木村家、また両親との間がうまくいかない真紀子の家と、真紀子のまわりで起こるパノラマ写真のように少し現実からは歪みやズレのある約1年間を描いた作品。デジャブやワープが出てくるがエンタメ系ではなく、やはり『春の庭』との共通点を感じる柴崎ワールドの作品だと思った。2015/07/26

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

101
いつかどこかでみた風景にふと出会う感覚をデジャヴュと呼ぶけど、その風景に入り込んでしまった28歳の〈わたし=田中真紀子〉。友人のイチローに誘われ、彼の家に間借りすることになった彼女は、個性的な家族に囲まれ新生活を開始する。増築が趣味で全裸で過ごすイチロー父にあてがわれたヒョウ柄の部屋。個性派女優の母みすずは恋多き女で、三人の子どもたちは全て父親が違う。母親にスポイルされ生きにくさを感じながら育った彼女は、そんな家族の中に自分の居場所を見出していくが……。日常と地続きにある迷宮を堪能する〈奇妙な味〉の物語。2015/08/08

なゆ

83
増築を繰り返してヘンテコ複雑な木村家に間借りすることから始まった、田中真紀子のちょっぴり奇妙な生活。パノララはパノラマ、いかにも柴崎さんらしい。前からインタビュー記事などで、パノラマ写真の微妙な歪みやズレの面白さを語られていたが、まさにそれを小説に変換したかのようなそんな世界。木村家はみんな家の造り以上に複雑な感じだし、真紀子と両親もいびつだし。家族関係にも踏み込みつつ、映像作家のワークショップのなんか不気味な空気や、真紀子が迷い込んでしまったあの時空など、今までとは違った厚みが感じられて大満足の一冊に。2015/03/25

アマニョッキ

55
冒頭の一文でもうこの作品が好きだと思った。その思いはラストの一行まで全く変わらなかった。親との確執をもった主人公が、ひょんなことからちょっと変わった木村一家で間借りをするお話。増築されつづける家、異父兄妹、映画、ループとワープ、つぎはぎだらけの日常でも、いつかパノラマ写真は360°フル回転シームレスの世界を写し出すかもしれない。ところどころでがむしゃらに泣けた。柴崎さんの描く世界が好きだというひとがわたしはきっと好きだ。2018/05/15

ともくん

53
初めて読む作家。 印象としては、西加奈子に似ている。 なんでもない日常が、実はとても大切なんだと思わせてくれる作品。2020/08/25

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