内容説明
些細な日常を通じて曖昧で不安定な20代女性の内面を描く表題作ほか、クラスでちょっと気になる同級生との触れ合いが印象的な『カノジョの飴』、とある姉弟の他愛ないやりとりが光る休日の一幕『浮いたり沈んだり』、友達との奇妙な三角関係と兄の結婚、ふたつの出来事に心揺れる主人公を描いた『魔女の仕事』の計4編を収録。
著者等紹介
生田紗代[イクタサヨ]
1981年生まれ。千葉県在住。明治学院大学在学中に『オアシス』で第40回文藝賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さおり
33
前に読んだ生田紗代さん作品がとても良かったので、表紙が亀なことに諦めず手に取ったのですが。これは前のやつほど心に響きませんでした。悪くはないんだけど、今の気分と違ったのかも。2018/09/10
すきま風
13
やっぱり好きだなあ。生田さんの文章もそうだし、日常を切り取るのが本当にうまくて読んでいて心地よい。短編集なのでとても読みやすい。劇的な何かなんて起こらないけど、あるあるこういうの!と思うようなさりげない日常を描いた4編。メガネをなくして途方に暮れた弟とメガネ探しを頼まれた姉の話、給食の時間になるとベランダに出て給食を食べないクラスメイトとの交流。特にその2編が好き。2016/05/09
野のこ
7
主人公の心理をゆるく書いた短編集。年齢は違うが共感するところも多かったです。地に足がついていない若い彼女たち。どんな風に成長するのかな。友人の高原に咲く花の名前、気になりました。あと弟のメガネのくだりにはずっこけ〜!2016/07/17
アコ
7
昔アンソロジーで読んだっきりの生田紗代さん。装丁がいい+4作収録の短編集+176Pということで読んでみた。いずれも、大きな事件は起こらずあくまでもよくある日常のなかでのちょっとした出来事に焦点をあてたという印象。文章のやわらかさも合っているようにおもう。お気に入りは表題作と『カノジョの飴』。『魔女の仕事』はイマイチよくわからないまま終わったけれど、麻雀牌のピンフのくだりには笑ってしまった。あーなるほど、と。なんとなく気になる存在で次も読んでみたくなった作家さん。2013/06/30
ちょな
3
カバーの絵が可愛くて手に取った。何てない他人のゆるい日常を描いた短編集なんだけど、主人公たちが心の中ではズレたことを考えているのが印象的。ほわんとしたイメージの本。2009/10/30