• ポイントキャンペーン

方法叙説

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 161p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062129732
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

奇術師ダイ・ヴァーノンの手が作り出す幻影の中に見るトポロジカルな意匠、体表面を滑りゆく泡の中に生まれる宇宙、夕暮れの不忍池に投げ込んだ石の生み出す波紋とその幼少期の記憶、機中から見下ろした光点と光線とが作り出すパリというイリュミネーション。多様でありながら流変するその意匠の深部を覗き込み、そこに映る創造の根底を描き出した松浦寿輝のエッセンス。

目次

手指
フィギュール
我在ラザル処
逸話
始まり
葛藤
ガラス球
部屋の中の旅
紋章

意味
悪所

途中であること
幼年時の一記憶
水?
スクリーン
形相的官能、あるいはバトル
ふたたび、池
どう読んだらいいのか
科学という虚構
迷い、惑い
ノスタルジア/アムネジア
伝う、沿う
「自同律の不快」
小説の練習
教師の仕事
回答例
もう一つの物語
イリュミネーション

著者等紹介

松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954年東京生まれ。東京大学教授(表象文化論・フランス文学)、詩人、小説家。2000年『花腐し』で第一二三回芥川賞を、2005年『半島』で第五六回読売文学賞を、同年『あやめ 鰈 ひかがみ』で第九回木山捷平文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

26
実に(読んでいてヒヤヒヤしてしまうくらいに)率直な書き手だ。それは別の言い方をすれば確かに「きれいな自意識」を備えており、曲がったことやごまかしを許せず己の繊細さと知性を信じ続け、考え続ける姿勢から来るのだろう。そしてそれが怠惰なうぬぼれからくる「唯我独尊」に終わらず、その鋭利な知性を己自身に向けてストイックに考え続けているところも面白い。彼の仕事や彼のスタイル(つまり彼なりの「方法叙説」)はなかなか真似できない、実に堅牢に培われたものだということが伺える。自伝的な、彼自身のルーツが見える本として興味深い2023/08/06

Bartleby

11
松浦寿輝と恩田陸との対談で恩田氏が触れていたので読んでみた。具体的な創作技術論ではもちろんない。松浦氏の創作方法論だ。詩人、小説家、映画批評家、フランス文学者といくつもの顔をもつ氏だが、それぞれの分野での仕事間の関係がよくわかって興味深い。そしてかなり意図的にその顔を使い分けていることもわかる。いずれにしても、終わりを設けて切断することなく、ずっとだらだらと書いていたいという欲望が底流している。なにかを主張するつもりはさらさらなく、ただ遊んでいたいという欲求も透かし見える。2023/08/19

保山ひャン

2
詩人にして小説家、評論、エッセー、研究論文も書く松浦寿輝が、自作とその方法について書いた文章をまとめたのがこの1冊。とは言え、意味に着地することに違和感を呈する著者のことだから、単なる自作解説にはならない。小説風の文章を書いた直後に、批評家がいかにも言いそうなことを試験問題風に列挙するくだりもある。例えば第3問「この著者には、やはり『永遠』という言葉に焦点を合わせて西脇を論じた文章があるが、そこで提起されている『ポストモダン』や『歴史の不在』の概念を援用しつつ、この作品に内在するイデオロギーを批判せよ」!2015/04/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/261939
  • ご注意事項