内容説明
大店の紙屋の一人娘と小間使の娘、あだ名は空豆と枝豆。人間の運命のおかしみを生々と描く、会心の傑作長篇。
著者等紹介
梓沢要[アズサワカナメ]
1953年、静岡県に生まれる。明治大学文学部に学ぶ。1993年、「喜娘」にて歴史文学賞を受賞し、鮮烈なデビューをはたす
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感想・レビュー
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baba
24
読メさん感想で手に取る。大勢の人に大事にされておっとりと育つ大店の娘おそのと女中のお奈津はそら豆と枝豆と比喩されながら仲良く暮らす。前半はよくある主従関係と忠義に挟まれた恋物語が後半別の話かと思う展開にびっくり、俄然目が離せなくなりました。下巻へ。2016/05/28
ケイプ
13
大店の一人娘おさよとそのお付きの女中お菜津、二人の影響し合いながらの成長記かと思いきや。。。話は思わぬ方向に進んで行きます。そして、えっ?二十年後に話は飛んで下巻に続きます。2016/06/25
星落秋風五丈原
11
子だくさんの家にぎゅうぎゅう詰めに暮らしていた「お菜津」が枝豆。 大店の一人娘としておっとり育てられた「おその」がそら豆。 全く逆の性格ながら、お互いの一番の理解者であり続けた彼女達の友情は、 永久不変のものに思われました。たとえ、身分違いなんてものがあっても。 けれど、ただ一つ。女の友情が壊れる原因として、現代にも存在する 恋愛という厄介なものがありました。町娘、お菜津の気持ちがいじらしい。2003/03/13
Norico
7
伝記的な作品のイメージの梓沢要さんでしたが、江戸時代の女の子2人の生涯を描いた作品で、とてもよかった。のんびりした大店のお嬢さんと、そのお嬢さんに仕える下町娘。恋は切ない2023/09/03
BlueBerry
6
序盤は低調だけど読み進めるうちに楽しくなっていきました。新聞小説なので制約もあったのかと思われます。私としては好きな本で、もっと多くの人に読んで欲しいですね。お勧めです。2013/03/24