透きとおった糸をのばして

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  • サイズ B6判/ページ数 210p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062103374
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

内容説明

親友との仲がうまくいかずに思い悩む中2の香緒。研究に熱中することでなにかを忘れようとする大学院生知里。ふられた恋人を追って上京してきたるう子。奇妙な共同生活をおくる3人の部屋の中、からみ合いはじめる見えない糸。第40回講談社児童文学新人賞受賞作。

著者等紹介

草野たき[クサノタキ]
1970年、神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業。1999年、『透きとおった糸をのばして』で第40回講談社児童文学新人賞を受賞。東京都在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

36
誰かに教えてもらって考える・・・友情ってそういうものじゃないから・・・。人間、いつまで経っても居心地のいい相手を探し続ける。でもそれが本当の友情かどうかと言ったら・・・答えは自然に見えてくる???思春期の心の痛みをちゃんと実感する事で、素敵な女性になれる。香緒の将来がとても楽しみ。るぅ子も千里もちなみも・・・みんな誰かと透明な糸で繋がっている。児童文学らしい爽やかなラストだった。2010/10/11

ひめか*

19
中学の頃大好きだった。親友ちなみに恋愛のせいで嫌われてしまう香緒。大学院生で真面目でしっかり者の従姉妹・知里や、その友達で彼氏にフラれて諦めないるう子、梨本くんらとの交流を通して、揺れ動く心を描く青春物。「人間関係はそう簡単には切れない。一度その人を知ったら二度と知らない人には戻れない。どんなに嫌になってもすでにお互いを知ってしまってる。見えないふりしてもちゃんと繋がってしまってる」という知里ちゃんの言葉が印象的。人はみんな透き通った糸で繋がってるんだ。香緒とちなみも、るう子と知里のようになれるといいな。2019/11/23

赤い肉球

14
初読み作家さん。友達ってなんだろね。人間関係の難しさを考えさせられたな。確かに色んな性格の人がいるよね。自分勝手で周りを見てなくて行動する人。「人間関係って簡単に切れない。一度その人を知ってしまったら、もう二度と知らない人には戻れない。知らんぷりしたってちゃんとつながってる。」妙に納得した言葉だった。今どきの中学生って色々と大変なんだね。自分の頃にはそんな悩みなんてなかったことに感謝した。2014/03/25

ベーグルグル (感想、本登録のみ)

11
初作家の草野さん。親友だったけれどある事がきっかけで、遠くなってしまい友人関係に悩む中学生の話。こんな気持ちになりそうだなぁと自分の中学生の頃を思い出しました。とても上手に中学生の女の子の心情が描かれていました。友達って何だろうね。私なら恋より親友を選ぶかも。人間関係とは・・・について考えさせられました。2015/10/04

はげまる

10
じんわりと体の奥が暖かくなる。友達関係に悩む中2の女の子に寄り添って語られる児童文学。朴訥とした目線のなかで、ところどころ心に刺さってくる。みじめじゃなく生きている人なんかいるんだろうか。一度そのひとを知ってしまったら、もう二度と知らないひとにはもどれない。振りかえってみると、自分もかつては、親や周囲のクラスメイトにアピールできる友達の形を求めていたのかもしれない、と反省。あり方ではなく、気持ちであり、縁が、友達を友達たらしめているのだと感じ入った。数少ない友達に感謝しつつ大事にしようと思った。2014/07/10

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