- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > 海外文学
- > その他ヨーロッパ文学
出版社内容情報
ムーミンの原作者ヤンソンの自伝的小説。 彫刻家の父と画家の母から比類ない才能を受け継いだ国際アンデルセン賞作家、トーベ・ヤンソン。芸術家魂は、たがいを尊重し信頼する家族関係によって築かれた。 中学・高校
内容説明
あふれる好奇心とするどい洞察力で周囲の世界を見つめ、自分の価値基準や真の芸術家としての姿勢を身につけてゆく幼ない少女―。自由・冒険・信頼・愛情、「ムーミン」世界の魂のルーツにせまる待望の書。ファンタジーの傑作〔ムーミン〕の作者の自伝的小説。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
65
ムーミン作者の自伝的小説。 子供時代。両親とも芸術家。 空想好きはこの頃から。 彫刻家のお父さん(ムーミンパパのモデルでしょうね)が可愛がってた猿の話が面白い。他の作品にも出てくる。 猿飼うのは大変だね2022/04/18
霜月
21
トーベ・ヤンソンさんの子供時代の自伝的小説。作品全体が瑞々しい感性に満ち溢れていて感動してしまう。繊細で愛情深い家族、冒険好きで辛抱強く困難さえ楽しむような彼らが次第にムーミン谷の住民たちと重なって行く。なんて愛すべき慈しむべき存在なのだろう。様々な縛りから解き放たれていて、豊かな生活とはこういうことをいうのだろうな。2015/01/11
みけ
9
ムーミンの作者トーベ・ヤンソンさんの自伝的小説。1914年ヘルシンキで生まれたヤンソンさんを取り巻く世界は、大きな嵐、漂着した密輸酒、暗闇にポッカリと光輝くスケートリンクや、子供2人で漕ぎ出す筏などお伽話の様だった。ヤンソンさんから見える世界は、ツリーに飾られているガラス玉には優しさが詰まっていて、カナリアはイジワルで、世界が滅亡に向かってもママと2人雪で閉ざされた家は安全で。私の中にも自分の世界はあったけど、ヤンソンさんの世界は比べ物にならないくらい鮮やかで豊か。小説を通して遊びに行けるのは幸せだ。2018/10/25
ぱせり
8
(再読)ママのチュールのペチコートに隠れて外界を眺める場面があるけれど、この物語全体が、チュールのペチコートの中の世界なのだ。外の世界は、ぼんやりとしている。それでいい。いつか、外に出ていく彼女は、このペチコートの下で、安心して、思うさま自分の世界を育て上げた。2013/08/16
あい
5
トーベヤンソンの自伝を含んだ物語。少女だった彼女の愛した世界が、その後のムーミンシリーズに色濃く映しだされているのがよくわかります。彼女のパパとママはまさにムーミンパパとムーミンママなのですね。トーベ自身は、みんなに少しずつ似ている気がします。お気に入りは『入り江』。文章のなかで、現実と空想が混じり合っています。2018/06/12