内容説明
「ベトナム」は嘗てあらゆる“まっとうなもの”の中心だった。そして今、人間はどこへ行くのか?その漂流の姿を追求、壮大な小説世界を結構した大長篇ここに完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風に吹かれて
10
人間が生きている『空間』は多用な人間が多様に生きており、それぞれが生きた時間を背負っている。そしてその『空間』には、政治も経済も民主主義もファッションも、そして恋愛も欲も喜びも悲しみも怒りも情けなさも、等々が渦巻いている。原稿用紙7000枚の作品は、様々の人間の様々な関わりをたくさんの言葉で書かれており、いくつものテーマを丹念に追い、人間の行動の、時にグロテスクで、時に喜劇的な姿を、読み手にいくつもの人間の歴史の課題を投げかけながら、小説の面白さを失うことなく描かれている。退屈と無縁の『小説空間』!2019/01/29