白い航跡〈下〉

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白い航跡〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784062053327
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

脚気の原因説を巡り、高木兼寛は陸軍軍医部を代表する森林太郎(鴎外)と宿命的な対決をする。それは学理を重視するドイツ医学を信奉する東京帝国大学医科大学及び陸軍首脳と、患者の治療を重んじ実証主義に徹するイギリス医学に則る海軍首脳との抜き差しならぬ対立でもあった。この対決は日清・日露を経て、両者の死後初めて決着した。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Cinejazz

13
日清・日露戦争において、脚気(beriberi)により死亡した将兵は陸軍の3万人以上に対して、海軍は3人であったとされています。白米中心の偏食が要因にあると究明し、海軍の脚気患者撲滅の最大の功労者・高木兼寛(1849-1920)の生涯をたどった下巻では、ドイツ留学から帰国した陸軍軍医・森林太郎(森鴎外)らの主張する細菌説と真っ向から対立した高木兼寛の焦燥と苦悩が描かれた、興味を掻き立てられる歴史小説です。後年、白米のビタミンB欠乏が脚気発症の要因と確定され、高木兼寛の偉業に改めて敬服の念を抱きました。2021/09/26

YMTrade2

1
高木兼寛氏の功績を初めて知ったが、ここまでの実績の人が現代で有名でないのは、確立された治療法が誰によって作られたかを詳細には説明はいちいちしない現代教育と、興味を持って知ろうとしなかった当方の姿勢に寄っていたと感じられた。実証により脚気を海軍にて消滅させた高木氏の評価に対し、森鴎外を中心とする脚気は細菌病説が政府内でも浸透してしまうあたり、現代の日本人にも大いに通ずるところがあり興味深い。実証のデータはあるのに、論拠が不十分として実証のない方法を採用し続けてしまう、精神主義とも言えるか。2020/05/09

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