内容説明
歴代の勅撰和歌集、私家集、さらに物語や日記文学の中で、華やかな独詠の陰に埋もれがちな贈答のうた。詠み交す事で深化増幅する人の心と精妙に響き合う贈答歌に光をあて、自在な口語訳を付しつつ読み解く。王朝人の豊饒な言葉の贈物への密やかな答歌とも評された名著。野間文芸賞受賞作。
目次
勅撰和歌集 賀歌の贈答
勅撰和歌集 天皇・皇族の贈答
「伊勢物語」の贈答
「蜻蛉日記」の贈答
「和泉式部集」「和泉式部日記」の贈答
「源氏物語」の贈答
「建礼門院右京大夫集」の贈答
「長秋詠藻」「長秋草」「拾遺愚草」の贈答―藤原俊成・藤原定家の贈答
著者等紹介
竹西寛子[タケニシヒロコ]
1929・4・11~。小説家・文芸評論家。広島県生まれ。学徒動員で工場で働いていた16歳の時、自宅で被爆。1952年、早稲田大学文学部卒。河出書房、筑摩書房で日本文学関係の編集に携わり、本居宣長の著作に触れる。同人誌「文学者」などに評論を発表、62年、筑摩書房退社。64年、『往還の記』で田村俊子賞受賞。69年より早大教育学部講師を務める(96年迄)。小説と文学評論の双方で多くの本を著し、『式子内親王・永福門院』(平林たい子文学賞)、『管絃祭』(女流文学賞)、『兵隊宿』(川端康成文学賞)、『贈答のうた』(野間文芸賞)等、文学賞も多数受賞している。94年より日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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