内容説明
晩秋の能登のホテルの一室で美しい人妻が服毒死した。室内には青酸ソーダ入りの缶ジュースとルームキーが転がっていた。第三者の出入りが不可能なシングルルーム…。しかし、ルポライター浦上伸介は自殺に見せかけた他殺だと確信する。絞りこまれた容疑者には、鉄壁のアリバイがあった。本格アリバイ意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
45
浦上シリーズです。能登のホテルの一室で、観光ツアーで訪れた主婦が遺体で発見されます。中から鍵がかけられ、ルームキーも室内で見つかり完全な密室である事が分かります。津村氏の作品は細かい処迄、気配りの効いたアリバイトリックが有名ですが、この作品は真っ正面からの密室です。和倉温泉の旅情は素晴らしい描きかたで、正に旅行に行きたくなる美しい文章です。浦上チームとも言える仲間の連携プレーが素晴らしく、こうした部分でも楽しめる作品です。ただ、被害者と犯人の出会いに説明不足を感じますが、旅情ミステリの良作だと思います。2014/10/21
roomy
3
これで津村作品2冊目だけれどこのシリーズはどうやら事件が起きて記者の浦上伸介と助手?の女子大生・前野美保が容疑者のアリバイを崩し犯人逮捕に協力するってパターンらしい。サクサク読めたけど1995年だし少し話が古いかも。私には面白かったです。笑2012/09/18