内容説明
パステルカラーの花やドレスで飾られた女性像をとおして、夢幻の世界を描き続けた画家マリー・ローランサン。今世紀初頭の美の都パリで、詩人アポリネールをはじめとする多くの芸術家たちに霊感を与えた美神の、波乱に富んだ生涯と代表作のすべてがこの一冊に。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
106
仏の画家ローランサンの代表作や彼女の生涯、ゆかりの場所や人物の写真をおさめた好著。文庫ながら、盛りだくさんの内容で非常に良かった。特に写真は美しくセンスの良いものが多くて、ローランサンの芸術によくマッチしている。ローランサンが私生児として生まれて、生涯を通して男性的なものを嫌っていたということに驚いた。そういった性格があの繊細で、柔らかな画風に反映されているのだろう。個人的にはロマンチックな女性画よりも、キュビスムの影響を受け、しなやかな線で描かれた初期の作品に惹きつけられた。2015/03/07
ヒロミ
50
世界で初めて成功した女流画家と言われるマリーローランサンの足跡と代表作を網羅したコンパクトながら読み応えのある美しい本。ローランサンのほわほわ乙女な雰囲気の絵が大好きで、熱はしばらく続きそう。パリの写真も綺麗でした。2017/12/28
へくとぱすかる
34
白色を主に描かれた女性の絵を見たら、素人の私でも、すぐにローランサンの絵だとわかる。それほど彼女の色には特徴があるのだ。こうしてまとめて眺めてみると、似たような作品でも、その白には微妙な色のちがいがあるし、見事に描き分けられていることに驚いてしまう。まったくうかつだけど、ローランサンがどの国の、いつの時代を生きた人なのか、全然知らないでいた。前から知っていた彼女の詩からは、不幸の影しか読めないが、詩のイメージとはちがって72歳まで生き、画家としての名誉に包まれていたと知って、ちょっぴりだけど、ホッとした。2015/08/23
双海(ふたみ)
15
若き日のピカソの戯言から始まった詩人アポリネールとの恋。「ミラボー橋の下をセーヌ川が流れ/われらの恋が流れる・・・」アポリネールが詠い、ローランサンが描いたミラボー橋は今日も百年近く前の運命的な恋を記憶の片隅にとどめつつ、静かにセーヌ川の流れをみつめている・・・。2014/03/19
ちーたん
11
マリーローランサンの絵がたっぷり。画像もきれいでした。 お友達が多いようなので、とても人柄が良かったんだな。と思いました。2013/07/28