内容説明
愛人である節子という名の“媚薬”は片柳を性愛の果敢なチャレンジャーに仕立てていった。彼は妻を抱きながら節子を相手にどぎつい性戯にふける妄想を思い描く。そのうちに彼の頭の中では妻と節子がひとつになる。そのとき男が抱いているのは、妻でも愛人でもない一人の女の肉体である。官能実験小説集。
感想・レビュー
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ふう
15
時代を感じる表現が多く、古臭さ(トマトとかw)はあったが期待以上に面白く読了。「官能実験小説集」と銘打っているわりに官能感も実験小説感もあまり感じることはなく、むしろ大人の意地や切なさが生々しく繊細に描かれており、本当に想像以上に面白かった。たまたま手にとったけどきちんと読んでよかった。「切株」、「負い目」 、「白い壁の部屋」、あと「義歯」も印象的。作家名伏せられたらこれが勝目梓だとわかんないかも（私が全然読んでないからかな）。2019/03/08
