内容説明
日本には「特殊戦後的基準」によって、経済的成功をはじめ日本式経営や日本型官民協調体制を自賛する声が高い。だが、経済は国家や国民が目指す理想を達成する手段の一つにすぎない。その上経済そのものも、全体として見れば世界に威張れるほどの効率と豊かさには達していない。日本及び日本人論の決定版。
目次
第1章 平成の日本
第2章 平和と協調を育てた「風土」
第3章 学び上手の「気風」
第4章 令外の官と生なり文化を生んだ共通情報環境
第5章 文明を左右してきた資源と人口
第6章 最適工業社会の繁栄と限界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
脳疣沼
2
うーん、なんか凄い。著者は日本の絶頂期に、ちゃんと問題点を認識し、警音をならしている。ところどころでドキリとさせられる分析があって、上手いこと言うもんだなあと感心した。なんとなく当時と比べれば、日本社会も変わってきたような気もするが、それでいて失われた20年だとか言われてるのだから、江戸時代同様に改革は断続的にはあれど、いまだに衰退コースに乗ったままなのかもしれない。課題先進国と言われているが、これまでと違って他国に正解があるわけじゃないので、まあ辛い時代なのはしょうがない。2016/07/03
B型が苦手
1
日本論がたくさんある中で、良質と感じるのは産業目線で論じていることから、あまりおかしな方向に行き過ぎないからでしょう。私と本書の出会いは現代国語の問題文であり、その引用部分が面白かったことから、図書室司書の先生に購入願いを提出したことを思い出します。本書を読んで社会学に興味を持ったことが、後の進路選びに大きな影響がありました。「読んだ本で人生決めるのかよ」と言われたこともありますが、たくさん読めばそういうこともあるよね、と思うことにしています。 2022/02/20
ろびん
0
そういえば最近また日本賛美系の本や番組が盛り返しているイメージがあります。2017/03/05