内容説明
17歳の少年・未来は、白血病の母の死に目に会えなかった。天涯孤独の身となった未来に残した母の遺書から、自分と母を捨てたはずの父にはバスク人の血が流れていることを知る。父の行動の謎を探るため、未来は単身パリへ旅立った。パリで会った不思議な老人から、父の秘密と宿命の血族を知った少年は…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
伊之助
31
逢坂剛の「カディスの赤い星」を始めとしたスペインものを好んで読んだ時期があった。この作品もその流れで読んだ記憶がある。二十数年振りに読み返したことになるが、初めて読む作品のようなワクワク感が湧いた。少年と言っていい主人公の自分探しの旅、それもテロ組織が絡む冒険の旅である。日本を発ち、パリからスペインバスク地方へ。出会う人々との交わりや巻き込まれる難事の中で、少年から青年へ一歩づつ成長する主人公の姿が爽快に描かれている。何故だか昔からあるスペインへの憧れめいた気持ちも動いた。2017/02/17
コッピー
1
母を亡くした17歳の少年が父を探すために、旅に出る話。カフェで見つけた古本だが、少年の成長していく姿が面白かった!2020/08/29
mn4947
1
自分と母を捨て、バスクに行ってしまい過激派の父親を探して自らバスクに向かう主人公の葛藤が描かれる。2013/06/01